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北朝鮮で1990年代以来の「大飢饉」の恐れ、国連の世界食糧計画が憂慮「人々は山に入って薬草を探し…」

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クーリエ・ジャポン

世界が気候危機とコロナ危機に直面するなか、ことさら危機的な状況にあるのが北朝鮮だ。このままでは再び多くの人命が失われる可能性がある。米経済メディア「ブルームバーグ」が、具体的なデータから北朝鮮の現状と未来を読み解く。 北朝鮮は8~9月、わずか2週間で3つの台風に見舞われた。ちょうど主要な収穫期の直前で、食糧供給に甚大な被害が出ている。 国連の世界食糧計画(WFP)は、北朝鮮の人口の40%ほどがすでに栄養不良の状態にあると推定している。 今回の大打撃は、2019年の凶作、さらに2020年コロナ禍による中国などからの食糧輸入の遮断に追い打ちをかけるものだ。 北朝鮮の人権に関する国連の特別報告者は、国連総会に提出する報告書の草案で次のように述べている。 「人々は資産や家具を売って借金し、山に入って薬草を探し、食べ物をあさり、小さい土地を耕して生き残ろうとしている」 今年の植え付け期に、新型コロナによる国境封鎖で燃料や肥料などの輸入が減ったことも、収穫量が1994年以来で最低になりうる要因だと同報告書は述べている。

北朝鮮で農地に適した土地はわずか22%

異常気象で世界中の農業が打撃を受けているが、北朝鮮はそのなかでもとくに脆弱な国だ。 国連の食糧農業機関(FAO)によれば、山国である北朝鮮で農地に適した土地は、全土のわずか22%しかない。 国際貿易から孤立していることも、同国がおもに中国からの食糧支援に慢性的に頼らざるをえない要因だ。 1990年代、洪水や干ばつにより起こった飢饉では、人口の10%近くが餓死した。 WFPのアジア太平洋報道官クン・リーは取材に応じて次のように述べている。 「天水農業に依存していること、良質の耕地が限られていること、農業分野の機械化が進んでいないこと、肥料などの輸入が難しいこと、これらが複合しているがゆえに、北朝鮮は気候危機に対して脆弱なのです」 北朝鮮の農業生産高はここ数十年で改善しているものの、同国は、世界飢餓指数ランキングではなお最下位グループにあり、危機管理指数ランキングでは、災害危機の面で最上位グループにいる。 北朝鮮ではたびたび洪水と干ばつが同じ年に発生し、FAOの概算によれば、年間100万トンの食糧不足が慢性化している。 2018年夏、北朝鮮では気温が平均より11℃上昇し、8月に台風と洪水が発生、農作物1万7000ヘクタール分が失われたと国連の人道問題調整事務所は報告している。 同年、北朝鮮の経済は1997年以来で最も縮小した。国際的な市場調査会社「フィッチ・ソリューションズ」は、パンデミックによる国境封鎖と、洪水による広範な作物被害があった2020年も、同レベルの経済縮小が見込まれるとしている。

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