ダニエルが3回戦敗退。マクラクランは男子・混合ダブルスで勝利[全豪オープン]
現地22日に行われた「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月17日~1月30日/ハードコート)6日目、男子シングルス3回戦では世界ランキング120位のダニエル太郎(日本/エイブル)が、第11シードのヤニク・シナー(イタリア)に敗れ、3回戦で姿を消した。「全豪オープン」公式ウェブサイトが伝えた。 ダニエル太郎 世界10位を苦しめるも、惜しくも3回戦敗退。解説の坂本正秀さんがコメント ダニエルは2回戦で元世界王者のアンディ・マレー(イギリス)にストレート勝利を収め、自身初のグランドスラム3回戦進出を果たしていた。その3回戦では動きの硬かった第1セットを落としたものの、第2セットでは5ゲームを連取し、6-1で取り返す。しかし第3セット以降は、ファーストサーブのポイント取得率が86%、アンフォーストエラーはわずか9本と精度を上げたシナーの前にブレークチャンスを作れず、4-6、6-1、3-6、1-6で敗れた。 ダニエル以外にも、ノーシードながら健闘してきた選手たちの多くがこの3回戦で姿を消すことに。昨年の「全米オープン」で予選から準々決勝まで勝ち進んだボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ)は、世界57位として臨んだ今大会では第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)の前にストレート負け。2回戦で第26シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を破って感激の涙を流していた世界56位のブノワ・ペール(フランス)は、得意のトリッキーなプレーも見せながら第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)相手に第3セットのタイブレークを制したが、4セットで敗れている。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場の世界175位クリストファー・オコネル(オーストラリア)は、2回戦で第13シードのディエゴ・シュワルツマンを3セットで下したが、続く3回戦で世界70位のマキシム・クレッシー(アメリカ)の前に沈んだ。 シード同士の対戦では、2014年の全米王者である第27シードのマリン・チリッチ(クロアチア)が第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を撃破。第9シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、第20シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)がそれぞれ第24シードのダニエル・エバンズ(イギリス)、第15シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)に勝利している。バウティスタ アグートとの5セットマッチを制してグランドスラム初の4回戦進出を決めた24歳のフリッツは、試合後コートで嬉し涙を浮かべた。なお、エバンズの敗退により、男女シングルスの3回戦までにイギリス勢全員が敗退している。 女子でもノーシード選手の多くがこの3回戦で敗れている。2回戦で全米女王であり第17シードのエマ・ラドゥカヌ(イギリス)を破った世界98位のダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)は、第14シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)から3ゲームしか奪えず完敗。第6シードのアネット・コンタベイト(エストニア)撃破の世界39位、19歳のクララ・タウソン(デンマーク)は第27シードのダニエル・コリンズ(アメリカ)に逆転負けを喫した。2回戦で第12シードのエレナ・リバキナ(カザフスタン)を退けた世界74位のジャン・シューアイ(中国)も、第19シードのエリース・メルテンス(ベルギー)にストレートで敗れている。 そんな中、世界61位のアリゼ・コルネ(フランス)は、第3シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、第29シードのタマラ・ジダンセク(スロベニア)とシード選手に連勝。コルネはこの22日が32回目の誕生日で、観客からハッピーバースデーを歌ってもらっていた。世界38位のソラナ・シルステア(ルーマニア)も1回戦で第20シードのペトラ・クビトバ(チェコ)、この3回戦で第10シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)と大物食いを続けている。また、1回戦で「全米オープン」ファイナリストのレイラ・フェルナンデス(カナダ)から金星をあげたワイルドカードの世界133位マディソン・イングリス(オーストラリア)は、1回戦で第16シードのグランドスラム覇者アンジェリック・ケルバー(ドイツ)を下した世界115位のカイア・カネピ(エストニア)とのノーシード対決に敗れた。 そのほかでは、第2シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)、第7シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)がそれぞれシード対決を制している。 また、この6日目にはマクラクラン勉(日本/イカイ)が活躍。まず、昼前からレイブン・クラーセン(南アフリカ)とともに第13シードとして参戦する男子ダブルスの2回戦でドミニク・イングロット(イギリス)/ケン・スクプスキー(イギリス)ペアをストレートで下す。その数時間後には、柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)と第8シードとしてエントリーした混合ダブルスで1回戦を戦い、Storm Sanders(オーストラリア)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペアをこれまたストレートで破った。ちなみに、彼の連戦の相手であるケン、ニールは兄弟。 そのほかの日本勢では、女子ダブルスで日比野菜緒(日本/ブラス)/アリシア・ロソルスカ(ポーランド)ペアが第16シードのビクトリア・クズモバ(スロバキア)/ベラ・ズボナレワ(ロシア)ペアの前に2回戦敗退。混合ダブルスでは、当初出るペアが辞退したことから、二宮真琴(日本/エディオン)/アイサムウルハク・クレシー(パキスタン)ペアが代わりに出場。しかしジェシカ・ペグラ(アメリカ)/オースティン・クライチェク(アメリカ)ペアに敗れ、2回戦進出とはならなかった。 大会6日目の主な試合結果は以下の通り。(※[]内の数字はシード表記) <男子シングルス> 【3回戦】 ●ダニエル太郎(日本/エイブル) 4-6 6-1 3-6 1-6 〇ヤニク・シナー(イタリア)[11] ●ボティック・ファン デ ザンツフープ(オランダ) 4-6 4-6 2-6 〇ダニール・メドベージェフ(ロシア)[2] ●ブノワ・ペール(フランス) 3-6 5-7 7-6(2) 4-6 〇ステファノス・チチパス(ギリシャ)[4] ●アンドレイ・ルブレフ(ロシア)[5] 5-7 6-7(3) 6-3 3-6 〇マリン・チリッチ(クロアチア)[27] ●ダニエル・エバンズ(イギリス)[24] 4-6 1-6 1-6 〇フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)[9] ●ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)[15] 0-6 6-3 6-3 4-6 3-6 〇テイラー・フリッツ(アメリカ)[20] ●パブロ・アンドゥハル(スペイン) 4-6 4-6 2-6 〇アレックス・デミノー(オーストラリア)[32] ●クリストファー・オコネル(オーストラリア) 2-6 7-6(6) 3-6 2-6 〇マキシム・クレッシー(アメリカ) <女子シングルス> 【3回戦】 ●マルケタ・ボンドルソバ(チェコ)[31] 6-4 3-6 1-6 〇アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)[2] 〇イガ・シフィオンテク(ポーランド)[7] 6-2 6-3 ●ダリア・カサキナ(ロシア)[25] 〇ソラナ・シルステア(ルーマニア) 6-3 2-6 6-2 ●アナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)[10] 〇シモナ・ハレプ(ルーマニア)[14] 6-2 6-1 ●ダンカ・コビニッチ(モンテネグロ) ●クララ・タウソン(デンマーク) 6-4 4-6 5-7 〇ダニエル・コリンズ(アメリカ)[27] ●タマラ・ジダンセク(スロベニア)[29] 6-4 4-6 2-6 〇アリゼ・コルネ(フランス) 〇カイア・カネピ(エストニア) 2-6 6-2 6-0 ●マディソン・イングリス(オーストラリア) 〇エリース・メルテンス(ベルギー)[19] 6-2 6-2 ●ジャン・シューアイ(中国) <男子ダブルス> 【2回戦】 〇レイブン・クラーセン(南アフリカ)/マクラクラン勉(日本/イカイ)[13] 7-5 6-3 ●ドミニク・イングロット(イギリス)/ケン・スクプスキー(イギリス) 〇マシュー・エブデン(オーストラリア)/マックス・パーセル(オーストラリア) 3-6 6-3 7-5 ●フアン セバスチャン・カバル(コロンビア)/ロベルト・ファラ(コロンビア)[4] <女子ダブルス> 【2回戦】 〇ビクトリア・クズモバ(スロバキア)/ベラ・ズボナレワ(ロシア)[16] 6-3 6-4 ●日比野菜緒(日本/ブラス)/アリシア・ロソルスカ(ポーランド) 〇バーボラ・クレイチコバ(チェコ)/カテリーナ・シニアコバ(チェコ)[1] 6-3 6-3 ●Monique Adamczak(オーストラリア)/ハン・シンユン(中国) <混合ダブルス> 【1回戦】 〇柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)/マクラクラン勉(日本/イカイ)[8] 6-3 7-6(8) ●Storm Sanders(オーストラリア)/ニール・スクプスキー(イギリス) ●ジェシカ・ペグラ(アメリカ)/オースティン・クライチェク(アメリカ) 4-6 3-6 〇二宮真琴(日本/エディオン)/アイサムウルハク・クレシー(パキスタン) ●アンドレア・クレパーチ(スロベニア)/ヨラン・フリーゲン(ベルギー) 1-6 4-6 〇ジャン・シューアイ(中国)/ジョン・ピアース(オーストラリア)[2] 〇サマンサ・ストーサー(オーストラリア)/マシュー・エブデン(オーストラリア) 6-2 7-6(3) ●エイジア・ムハメッド(アメリカ)/ファブリス・マルタン(フランス) (WOWOWテニスワールド編集部) ※写真は2021年「全豪オープン」でのマクラクラン(右)と柴原(左) (Photo by Mark Metcalfe/Getty Images)
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