【シャシーはポルシェと共同開発】シャオペンP7 スーパー・ロングレンジへ試乗 欧州で発売へ
中国で存在感を示す純EVメーカー3社
text:Mark Andrews(マーク・アンドリュース) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) 数年前まで、電気自動車を製造しようという夢を持った新興企業は、中国に溢れるほどあった。しかし2021年を迎えるまでに淘汰され、存在感を示しているのはニオとシャオペン、リー・オートのの3社のみ。 【写真】シャオペンP7 増殖する中国製純EVモデル ライバルも (114枚) 販売台数だけでなく、北米での株式市場においても、中国を代表するEVメーカーとなっている。ニオは、EP9というスーパーカーでご存知の読者もいるだろう。 その後を追うのが、広州を拠点とするシャオペン。すでに中国を飛び出し、北欧のノルウエーでG3というクロスオーバーを販売している。 中国の純EVメーカー、ニオとシャオペンの企業時価総額は、それぞれ880億ドル(9兆1520億円)と370億ドル(3兆8480億円)にも達する。アメリカのビッグ3、GMの時価総額は780億ドル(8兆1120億円)だから、中国の新興メーカーへの期待は熱い。 今回試乗したサルーンのP7は、シャオペンとしては2番目の量産モデル。2020年6月から発売は始まっており、現地価格は3万5000ポンド(490万円)に相当する。 2021年2月には、ナビゲーション・ガイデッド・パイロット(NGP)と呼ばれる自律運転システムがアップデート。テスラのオート・パイロットに匹敵する性能を備えるという。 どこか冴えない雰囲気のあるクロスオーバーのG3と異なり、P7のスタイリングは洗練されたイタリア風。ボディサイズはBMW 5シリーズに近く、ミニマルなデザインのスポーツサルーンだ。 価格としてはテスラ・モデル3がライバル。だがサイズでいえば、モデルSが競合となる。
広々で質感が高く未来的なインテリア
P7のインテリアは未来的な雰囲気。モニターによるデジタル・メーターパネルと、15インチのインフォテインメント用センターモニターが、1枚のガラスで連続するようにレイアウトされる。 エアコンやナビなどクルマの機能の多くは、シャオペンのバーチャル・アシスタント、シャオPを介して音声操作できる。だが、今回の試乗車は英語をまだサポートできていなかった。 少なくとも筆者のつたない中国語でも、印象的なほどに良く理解していた。どんな音声操作を与えても、だいたい2.5秒位で実行してくれる。 インテリアパネルで手に触れる部分は、高品質な素材が用いられている。あまり触れないエリアは硬質なプラスティック製となるものの、価格を考えれば当然だろう。 ボディの見た目のシンプルさと調和するように、ダッシュボードもクリーンな造形。エアコンの送風口は、アイラインより下側にある。シートはレザー張り。助手席側も電動で調整が可能となる。 パノラミック・グラスルーフを装備しているが、リアシート側の頭上空間にも余裕がある。足元空間も広い。リアシートは3名掛けで、ちゃんと大人が3名座れる広さがある。ただしフロア中央が膨らんでいるから、真ん中に座った人は長時間快適とはいえない。 リア側の荷室容量は大きく、ボンネット内にも小さめの収納がある。リュック程度なら問題なく入る。