【F1】角田裕毅「レッドブルに乗せるべき」の声は日に日に... 政治力を上回る速さでシートを掴み取れ
【アップデート効果を確かめる絶好の機会】 昨年は高温多湿で、ドライバーたちが意識をもうろうとさせるくらいに疲労困憊したカタールGPだった。だが、今年は開催時期が10月8日決勝から12月1日決勝へと約2カ月シフトしたことで、気温は20度前後と極端なコンディションではなくなった。 それでも、夜の砂漠は湿度が80%にも上り、さらには木曜から強い風が吹きつけていた。 「寒くはないですが、風が強いですね。去年と比べて暑くないのも、今のところは、という感じです。去年も日曜日になって急に温度と湿度が高くなったので、あまり油断はしないようにしています。さすがに去年ほどタフなレースにはならないと思いますし、そうならないように願っていますけどね」 カタールは200km/hを超える高速コーナーが連続し、RBにとっては昨年も大きく苦戦を強いられたサーキットのひとつだった。 しかし、苦手意識の強かったラスベガスで予選7位・決勝9位の好走を見せられたことで、チームの意識も変わってきていると角田は明かす。 「過去のレースを見ても相性のいいサーキットではないと思うんですけど、今年はラスベガスでかなり厳しいレースになると思っていたにもかかわらず入賞できました。よくないイメージを払拭できたレースだったので、去年とはマシン特性も違うし、モチベーション高く臨むことができます。ラスベガスでああいうレースができたということが自信になっています」 ラスベガスではレッドブルRB20のリアサスペンションを投入し、それに合わせたサイドポッド後方の最適化も進めた。 ストレート主体で高速コーナーがなく、あまりの寒さにタイヤを機能させられるかが主眼となったラスベガスではアップデート効果を確かめることはできなかった。だが、このカタールのルサイル・インターナショナル・サーキットでのレースは絶好の機会になりそうだ。 0.1秒も変わるようなものではないと言うものの、今の超僅差の中団グループにおいては、0.01秒でもポジションアップにつながる貴重なゲインであることもまた事実だ。 コンストラクターズランキング6位を争うハースやアルピーヌのほうが純粋なマシンパフォーマンスで上であることは間違いなく、カタールのように空力性能が問われるサーキットではより一層、その傾向が顕著になるはずだ。