どんな町になる? 立体化工事と再開発でダブル変貌中の京成立石駅と界隈
【汐留鉄道倶楽部】京成押上線で東京都葛飾区の京成立石駅に行った。駅も界隈(かいわい)を歩くのも4年ぶり。かつては行列ができる煮込みの店をはじめ、おでんや鶏唐揚げなど、店をはしごするのが目的だった。慣れない路地や商店街をうろうろするのも魅力の一つだった。今回は「駅も周辺も変貌を遂げている」と雑誌や新聞が報じるため、どんなものかと確認してみたかったのが理由。 【写真】地下鉄、59年ぶりの貫通路復活は、「超非常識行動」対策 乗客の「危険な行動」とは… 14歳の少年も命を落とす NYの川崎製車両
押上から下り普通電車に乗車。荒川を渡り高架の四ツ木を出ると一気に地上に下りて立石へ。この地上区間を高架にする工事が進行中で、沿線の踏切11カ所がなくなる。確かに地上区間の踏切の多さに気付く。 立石駅の相対式プラットホーム自体は以前と変化なかった。ただ、橋上駅までの階段は閉鎖されていた。かつて階段で2階に1カ所だった改札口がなくなり、下りが地下道から改札へ、上りは地上から入る、という上下別々の改札口に変わっていた。ホームから見上げるとお役御免となった橋上駅は老朽化が目立ち、時代を感じさせる雰囲気となっていた。人が上り下りしないだけで早くも古ぼけてしまうのか。いつかは解体されるだろう特徴ある古い駅舎を目に焼き付けた。 駅を降りると、下り線の脇には既に立派な仮線が敷かれ、11月末には線路がこちらに移設されるようだ。のんびり線路際を歩いているうちにも電車はひっきりなしに通っていく。その都度ホームそばの踏切は警報器を鳴らし、遮断機を下ろし、人や自転車が並ぶ。通勤時間帯など文字通り開かずの踏切と化すのだろう。
まずは北口を歩く。いきなり目の前一帯が白いフェンスに覆われた風景に出合う。再開発事業にありがちな外側からは中がほとんど見えない仕組み。フェンスの隙間からのぞくと中はだだっ広い更地になっていた。密集していた多くの住宅や店舗が立ち退いたことだろう。 南側に回る。こちらは4年前の駅前風景が残っており、商店街もそのままで懐かしかった。ただ、この一帯も再開発の範囲に入っている。今も残る煮込みやもつ焼きを出す店は、午後の早い時間なのに開店待ちの客で長蛇の列だった。店独自の注文ルールは私のような素人にはただ見とれるだけだった。以前と同じ場所にあった店でコロッケを買う。店の人は「この辺も北口同様やがてなくなる。いつになるかは分かりませんがね」と話していた。当時、入った鶏の唐揚げ店もギョーザの店も見つからなかった。無人と思える家屋や閉店した店もあちこちにあった。いつの日か北口同様更地となることを見越してのことか。