今夜ゴング!村田諒太が“最強”ゴロフキンを倒す“埼玉の奇跡“は起きるのか…「過去最高の出来。考え抜いた作戦がある」
プロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者、村田諒太(36、帝拳)とIBF世界同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(40、カザフスタン)の歴史的ビッグマッチ(9日・さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が8日、都内で行われ、両者共にリミットの72.5キロでクリアした。新型コロナの抗原検査も行われ両選手共に陰性でついに世紀の一戦のゴングが今夜鳴らされることになった。ゴロフキンは40歳とは思えぬ肉体を披露したが、総額約21億円の“奇跡の興行”をプロモートした帝拳ジムの本田明彦会長は「過去最高の出来。村田には考え抜いた作戦がある」と愛弟子の勝利に太鼓判を押した。
40歳の誕生日を迎えたとは思えぬパキパキの肉体
その肉体は、この日40歳の誕生日を迎え、ハッピーバースデーの音楽が計量会場に流されるサプライズの中、花束と「浴衣と特製判子」をプレゼントされたボクサーには見えなかった。 ガウンとTシャツを脱ぎ、計量台に乗ったゴロフキンのパキパキボディに静かなざわめきが起きた。脂肪はすべてそぎ落とされ、腹筋は6パックではなく8パック。しかも体の前にせり出ていた。フロリダキャンプで日焼けしてきたこともあり、一層、彫刻のような筋肉美が際立った。 栄養士を日本に帯同させ、「計量後に適正体重に戻すのも4パウンド(1.8キロ)」と語るなど体調管理も万全。前日会見では「私はどんな試合にも責任をもってプロフェッショナルに取り組む」と語っていたが、その言葉はウソではなかった。 先月31日に来日し3日間の隔離後に外出は許可されていたが、ゴロフキンが号令をかけて帯同してきた一行は練習以外で一歩も外に出ることはなかった。帝拳サイドには、朝9時から午後6時まで「車をホテルに待機させておいて欲しい」とのリクエストがあったが、練習場所とホテルの往復以外に使われることはなかった。帯同したスタッフの1人がホテルの下のスーパーで飲み物などの買い物しただけでゴロフキンが激怒するほど神経をとがらせた。帰国を3日ほど遅らせ、日本観光は試合後にとっておくという徹底ぶり。富士山観光などを予定しているという。 だが、計量を見守った本田会長は、「無駄な脂肪を落として、あの体に作りあげたんだろうが、ああいう筋肉って硬いんだよな。ボクサーとして、あの筋肉が必要かどうかわからない」と冷静に見ていた。ボディ攻撃に耐えるためには、むしろ多少の脂肪が必要でボディビルダーのような肉体は逆にダメージを受けやすいとの見方もある。 「ゴロフキンは打たせるのが嫌いな選手。だから慎重だ。(相手の力量を)飲んだときにはガッといくけどね」 本田会長は43戦で1敗しかしていないゴロフキンの数少ない弱点を指摘した。