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不妊治療への経済的負担、若い人ほどネックに。15年間で「当事者の悩みはびっくりするほど変わらない」

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ハフポスト日本版

不妊治療をめぐる動きが活発だ。 政府の少子化対策の指針となる「少子化社会対策大綱」が、5月29日に決定。その中には、不妊治療への医療保険の適用拡大を検討することが盛り込まれていた。6月には自民党の「不妊治療への支援拡充を目指す議員連盟」も発足、保険適用を求める提言を政府に出した。 なぜ今、こうした動きが出てきたのか。「出口の見えないトンネル」とも表現されることもある不妊治療の渦中にいる人たちは、何を感じているのか。 15年以上にわたって、不妊治療患者を支援しているNPO法人「Fine」理事長の松本亜樹子さんに「不妊治療の現在地」を聞いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 松本亜樹子(まつもと・あきこ) NPO法人「Fine」理事長。長崎市生まれ。コーチ、人材育成・企業研修講師、フリーアナウンサーとして活躍。自身の不妊体験から2004年、Fineを立ち上げる。講演や調査、厚労省や閣僚への不妊治療と仕事の両立や経済的負担軽減などに関する要望書の提出など、幅広く活動。不妊や妊活の啓発に努めている。 著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)、『ひとりじゃないよ!不妊治療』(角川書店)など。

体外受精、顕微授精は高額化

「政治が動いてくれるというのは大きいし、期待したいです。特に費用は患者にとって一番大きな問題なので、負担が軽くなる方向にいくのは嬉しい。ただ、内容がまだ分からず想像がつかない部分もあるので、今後の動きを注視したいですね」 松本さんは不妊治療をめぐる政治の動きについて、評価しつつも慎重な見方を示す。 2004年にFineを設立。当事者とつながって情報交換の場を設け、カウンセリングなどの支援を続ける中、「経済的に厳しくて続けられない」という人を数多くみてきた。しかもそういった声は、ここ数年増えてきているという。 背景には、治療の高額化がある。 Fineが行った「不妊治療と経済的負担に関するアンケート2018」によると、精子と卵子を受精させて子宮内に戻す「体外受精」と、顕微鏡下で精子を卵子に注入する「顕微授精」の1周期にかかる治療費は増加傾向。50万円以上かかると答えた人の割合は、体外受精では2010年の16%から2018年の43%に、顕微授精では32%から60%と、どちらも倍以上になっている。 人工授精、体外受精、顕微授精は保険適用外。このうち体外受精と顕微授精は「特定不妊治療」として国の助成対象になっているが、助成額は15万円だ。(最初の1回のみ30万円。女性の年齢により受けられる回数は異なる)夫婦合算で730万円の所得制限が設けられているため受けられない人も多い。

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