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加藤清史郎 「こども店長」だった僕がイギリス留学で見つけたもの

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婦人公論.jp

◆役者かプロ野球選手か迷った時期も 正直な話、中学生になったばかりの頃は、「プロ野球の選手になりたい」と迷ったこともありました。もともとスポーツが好きで、特に球技が大好き。幼稚園の頃に将来なりたかったものは「警察官、野球選手、忍者」の三択。その中で、“忍者”という難しい夢を、映画の『忍たま乱太郎』をやらせていただいて早々にクリアできたので(笑)、次は野球選手だなって。 小学生の頃から阪神ファン。ずっと野球をやりたかったけど、テレビや舞台の仕事をしながらクラブチームに入って練習するのは無理でした。クラブチームの活動って週末に集中しますよね。僕の場合、平日は学校にきちんと行きたかったので、土日はお仕事のスケジュールがビッシリ入っていたんです。 それでも中学に入ったときにどうしても野球をやりたくて、でも、その学校には野球部がなかったので、自分で部を作りました。結局、部員は5人しか集まらなかったんですけどね。(笑) そんな状態ですから、本気でプロを目指せるはずもなかったんですが、市川海老蔵さんが座長を務める舞台に出演させていただいたとき、「将来、野球選手になるか、俳優になるか迷っているんです」と、海老蔵さんに相談したんです。そうしたら、「13年も役者をやっているのに、そのキャリアを捨ててまで野球をやるのか?」とおっしゃって。 その一言で、役者として生きていく覚悟を決めました。僕にとって、お芝居をするのは何より楽しいことなので、俳優という仕事を自分の軸にして、スポーツは趣味で楽しもうって。 スポーツといえば、ロンドン留学中はサッカー部にも入って、とっても楽しかったですね。現地の高校にはサッカーコースがあったので、サッカー部に所属していたのは将来プロの選手やプロのトレーナーを目指している人たちばかり。その中に、普通科コースの僕が入ったわけですから、本当に大変で。 みんなとあまりにもレベルが違うので、最初の頃は、僕だけボールを触る練習に参加できず、ひとりで黙々とトレーニングを続けて。つらいなぁ、やめようかなぁと思ったときもあったけど、がむしゃらにくらいついて、最後まで続けることができました。 それができたのは、やっぱり楽しかったから。後半は、平均身長185センチの、パワーサッカーで知られるイギリス人チームとの試合にも参加させてもらえました。そんなワクワクする経験、この先の人生でもう2度とできませんからね。 子どもの頃から「楽しい」という一心で俳優活動を続けてきた僕ですが、「何事も、楽しい限りはずっと続けていける!」って、この経験を通じてあらためて再確認することができました。 イギリスの食べ物は僕にはあまり合いませんでしたが(笑)、寮生活はすごく楽しかったですね。それぞれに将来の夢を持ったクラスメイトたちと、朝から晩まで寝食を共にする生活。みんなとワイワイおしゃべりしながら、かけがえのない友人にも出会えて。まさに「ザ・青春」! 思い描いていた通りの学園生活を過ごすことができたんです。 休みの日にロンドンの劇場に通ったことで、イギリスと日本のお客さんたちの違いを肌で感じることもできました。イギリスの観客は、日本よりずっと自由。立ちたいときには立つし、叫びたいときには叫ぶ。芸術というものを、日本人よりもっと身近に感じているんだなって。じゃあ、日本のお客さんたちにもっと自由にお芝居を楽しんでもらうためにはどうしたらいいんだろう? と。 帰国してもその思いは続いていて、それを勉強するために、日本の大学に進学しました。僕と同世代の役者さんでも、大学には行かず、俳優一本で行こうと頑張っている人も大勢います。そういう人たちは退路を断って強いなって思うけど、僕の場合は、イギリスで得たことをもっと深く学びたい。この先も、絶対に俳優として生きていくと決めたからこそ、大学できちんと勉強し、自分の基礎固めをしたいと思っています。

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