<七つの大罪>作者・鈴木央は「電子嫌い」「ネットを全くやらない」 “アナログ人間”が無料配信に踏み切った理由
基本は電話ですね。メールも使えないです。あ、でもファクスは使いますよ! 前にマガジンの忘年会で仲よくなった某作家さんに飲みの誘いをしたんですけど、僕はメールアドレスを持っていないので、いきなり電話をかけたらすごく驚かれたことがありました(笑い)。今の人は、いきなり電話をかけたりしないんですね。
ー-パソコンやスマホを使ってみようと思ったことはない?
ないですね(笑い)。今後もないと思います。もちろんマンガの原稿もアナログで描いていますし、マンガの資料とかも全て紙の本ですね。電子書籍だとかさばらないよ、とオススメされることもあるのですが、僕はむしろ紙の本を棚に並べるのがいいと思っているので。だから、「七つの大罪」も棚に並べがいがあるように、背表紙には巻をまたがってつながったイラストを入れています。最初は、「これですぐ打ち切りになったらどうしよう……」と思っていましたけどね(笑い)。
--紙への思い入れが強いようですね。
今は、スマホでマンガを読まれる方も多いと思うんですけど、小さい画面でちゃんと読めるのかな?と思うこともあります。電子版を出してほしくないとか、そういうことでは全然ないのですが、できれば、紙のコミックスのサイズで読んでほしいという気持ちはあります。それに、紙だとふとした時に読み返したりすることがあるじゃないですか。そういうことも紙のよいところかなと思っています。なにより、昔から紙の書店さんが大好きで、紙の書店さんを大事にしたいというという気持ちは強いですね。今、紙の書店さんが潰れていってしまっているじゃないですか。もちろん、電子版で読んでもらえるのもうれしいんですけど、紙の書店で買ってほしいという気持ちも捨てきれない。今回、無料化ということをすることにしたんですけど、その気持ちはまだまだ強くあります。
◇コロナ禍で変化 乗りきる助けになるのであれば…
--無料配信を決断したきっかけは?