【特集】大阪・新今宮にオープンした「星野リゾート OMO7」 労働者の街“西成”はどう変わるのか?
「街を変えるのは観光の役割」 一方で懸念の声も…
駅前にはカジュアルな屋台も並び、少しずつ変わり始めた街。その一方で、懸念する声もある。近畿大学の寺川政司准教授は、西成特区構想の座長を務めるまちづくりの専門家だ。 「新今宮駅周辺は利便性が高い場所ですので、そこに比較的収入の高い方が住んでいく中で、土地の値段が上がったり、今まで安く住めた人や、そこにいることができた困窮世帯の人が追いやられてしまうということが懸念されます。」(近畿大学 寺川政司准教授) 一方、星野代表は、ホテルの進出が街をプラスに変えると話す。 「ちょっとイメージの良くない場所は世界中にある。世界の都市の再開発においてはそういった場所にまずホテルが出ていく。そして観光客の方々にきていただいて楽しんでいただく。それを通じてその地域に新しいビジネスが生まれて、経済や街の在り方が変わっていく。そのきっかけを作るのが実は観光の役割なんですね。機能的に見ても、エリアとしても新今宮はOMO7大阪にとってはぴったりの場所です。」(星野佳路氏)
「市場性も含めて星野リゾートがそのエリアを牽引していくのであれば、新今宮周辺を広域的に見ながら、あの場所の持っているポテンシャルをどう活かすか、この街らしさを失わないようにしながら、まちづくりをしていくことが大事だと思います。」(近畿大学 寺川政司准教授)
開業を控えた「OMO7大阪」で関係者向けのイベントが開かれた。敷地内の芝生スペースで夜空のもと、くつろぎの時間を楽しむ参加者たちにふるまわれたのは、地元西成で営業する飲食店のたこ焼きとクラフトビール。さらに、ホテルの外壁一面を使って花火をイメージした光の演出も行われた。この街を変えていく。そんな決意を感じさせた。 「大阪ならではの魅力をいっぱい提供してくれている感じ」(宿泊客) 「お客さんが増えたら、街の感じも変わって来やすくなるかなと思います」(宿泊客) 地元の大きな期待を背負って開業したホテル。星野リゾートは、この街にどんな光を灯すのだろうか。 (読売テレビ「かんさい情報ネットten.」4月19日放送分)