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「負けてたら一生、頭に残った」山崎隆之八段、重圧も大ミスも跳ね返し2連勝/将棋・AbemaTVトーナメント

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AbemaTIMES

 極度のプレッシャーに追い込まれ、大きな凡ミスもし、それでも根性で勝った。将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Bリーグ第3試合、チーム渡辺VSチーム稲葉が5月16日に放送され、中堅戦でチーム稲葉の山崎隆之八段(39)が近藤誠也七段(23)との三番勝負で2連勝、+2ポイントを獲得した。負け越せばその時点でチームの予選敗退が決まるという土壇場で、通算勝率7割を超える若手実力者に対し、気合120%の将棋で食らいついての連勝。ファンからも「奇跡を見た」「山崎先生の真骨頂」と大反響となった。 【動画】痛恨の大ミスから大逆転  公式戦の大事な一局を前にしても、ここまで緊張しないだろうというほど、対局前の山崎八段の表情は強張っていた。個人戦で出場した第1回大会でいいところなく予選敗退。チーム稲葉の一員として参加した第3回大会も、第1試合で2連敗。活躍する姿を見せられないまま迎えた対局は、チームの命運を握る大一番だった。「すごく普段より真面目な気持ち。本当の意味で気持ちの弱さを感じるので、克服して強い気持ちで」と意気込んだ。  後手番での第1局から、独創的な山崎ワールド全開で行った。解説を務めていた田村康介七段(44)からも「これで山崎さんの方を持ってみたいという人は相当いない」と言うほどだったが、駒組みを進めるうちに臨戦態勢が整うのが山崎流。「先手(近藤七段)から仕掛けるのが難しい」という局面にうまく誘導すると、手番を握ってからは鋭い攻め。粘る近藤七段を振り切って先勝すると「こんなに震えて将棋を指すのは記憶にない。気持ちを120%出さないと」と、さらに厳しい表情になった。  連勝を狙って臨んだ先手番での第2局。ここで限界まで高めた気合が空転した。得意戦法である相掛かりを採用したものの、プロであればめったに食らわない筋の手を決められてしまい、序盤にして大ピンチに。それでも過去、自分も勝勢から逆転負けを喫した苦い経験が活きたのか、とにかく諦めない。チームのテーマである不屈の精神を貫くと、チームメイトの稲葉陽八段(31)、佐々木大地五段(24)からも「ひえー!」「奇跡が起きるぞ!」と大興奮の声があがる、大逆転勝利を収めた。  胃が痛み、心臓が止まるかというような、大ポカからの逆転勝利に「初歩的でプロではあり得ないようなうっかり。何年、相掛かりをやっているんだと。でも諦めなくてよかったです。あんな気合の空回りの仕方があるのかと。負けていた一生頭に残るところだった」と胸をなでおろし、ようやく笑みが出た。

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