J1で“監督シャッフル”…福岡の長谷部氏→川崎、川崎の鬼木氏→鹿島…2人の指揮官は新天地でチームを復活に導けるのか
J1の2つのクラブの新監督が決まった。川崎フロンターレは前アビスパ福岡監督の長谷部茂利氏(53)、鹿島アントラーズは前川崎監督の鬼木達氏(50)が来シーズンを指揮を執る。ともに現役時代に選手としてプレーしたクラブへの凱旋となる。今シーズンの川崎は2シーズンぶりの無冠に終わり、鹿島は8シーズン続けて国内タイトルに手が届かなかった。前クラブで結果を残した両氏は、新天地となる古巣を復活に導けるのか。 【画像】最終決戦でJ連覇を決めたヴィッセル神戸のウイニングショット
今シーズン限りで福岡を退任した長谷部監督と、同じく川崎を勇退した鬼木監督の新天地が、前者は川崎に、後者が鹿島にそれぞれ決まった。 神奈川県の強豪・桐蔭学園高から中央大をへて、1994シーズンに黄金時代の真っ只中にいたヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)に加入した長谷部氏は、1997シーズンにジャパンフットボールリーグ(JFL)を戦っていた川崎へ期限付き移籍。1年間だけ所属した古巣へ、監督として28年ぶりに凱旋を果たす。 1998シーズンからヴィッセル神戸で、2001シーズンからはジェフ千葉でプレー。ともにキャプテンとしてチームをけん引し、2003年7月の現役引退後は千葉、水戸ホーリーホックの監督をへて2020シーズンから福岡を率い、J1昇格に加えて昨シーズンのYBCルヴァンカップ制覇で同クラブに初のタイトルをもたらした。 今年10月末に、5シーズンにわたって指揮を執った福岡を「アビスパ福岡の未来を最優先に考え、ここでひとつの区切りをつけることが最善だと判断いたしました」と退団すると発表していた長谷部氏は、川崎の公式HPを通じて第一声を届けている。 「クラブ創設初年度に在籍したフロンターレに、このような形で戻ってこられることをうれしく思っています。これまで在籍された監督、スタッフ、選手が築き上げてこられたフロンターレらしさを大事にしながら、さらにそのサッカーを進化させ、川崎市民の皆様、ファン・サポーターの皆様、パートナーの皆様と一緒にタイトル奪還を目指して戦ってまいります」(原文ママ、以下同じ) 鬼木氏は千葉県の名門・市立船橋高から、Jリーグが産声をあげた1993シーズンに鹿島へ加入。1998シーズンに期限付き移籍した川崎へ、2000シーズンからは完全移籍の形で再び加入し、2006シーズン限りで現役を引退した。 その後は川崎の育成・普及コーチ、トップチームコーチをへて2017シーズンに監督に就任。それまで無冠だった川崎に、8シーズンで2度のJ1リーグ連覇、2度の天皇杯制覇にYBCルヴァンカップを加えた計7冠をもたらした名将は、26年ぶりに指揮官として凱旋する古巣のファン・サポーターへこんなメッセージを届けている。 「Jリーグ元年にプロサッカー選手として自分のキャリアをスタートさせていただいた鹿島アントラーズで、監督としてまたファン・サポーターの皆さんと一緒に戦えることを大変うれしく思います。選手がサッカーを楽しみ、観ている人にも楽しんでもらう。その先に必ず勝利があると信じて、戦っていきたいと思います」