ホンダ「“NSX”セダン」がスゴイ! 大排気量「V6」×画期的「4WD」搭載でもはや「スポーツカー」!? 先進的すぎた「レジェンド」とは
構スゴかった!最終型レジェンド
日本市場では、2015年2月に5代目レジェンドが復活し、これが現時点において最後の世代となりました。 5代目レジェンドは、新開発の3.5リッターV型6気筒VTECエンジンと3モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」にパドルシフト付き7速DCTの組み合わせというパワートレインを採用しました。FFベースのAWD、MRベースのAWDと構成は異なるものの「SPORT HYBRID SH-AWD」自体は「NSX」と共通で、一部では「セダン版NSX」などとも呼ばれています。 このハイブリッドシステムは、フロントにエンジンとモーター1基、後輪の左右それぞれにモーターを1基ずつ配置する構成で、システム総合最高出力382PS・同最大トルク463N・mというスペックとなっていました。 2021年3月には「Honda SENSING Elite(ホンダセンシングエリート)」を搭載したレジェンドを発売。 ホンダセンシングエリートは、高速道路での渋滞時などの一定の条件下で「ハンズオフ」すなわち”手放し運転”を可能にする自動運転レベル3相当の技術をもっています。 このハンズオフ機能は、車線変更も可能とし、ドライバーは常に車両前方等の安全を確認し、即座にシステムからドライバー自身への運転を引き継げる状態にしていなければなりませんが、ハンドル操作とアクセル・ブレーキ操作から解放され、運転時の疲労を大幅に軽減し、事故防止にも効果を発揮するシステムとなっていました。 また、渋滞運転機能「トラフィックジャムパイロット」では、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作をドライバーに代わってシステムが操作し、ドライバーはナビ画面でテレビやDVDの視聴などができるようになっていました。 ハンズオフ機能は、ホンダより日産が先駆けて2019年9月に「スカイライン」に搭載して発売していますが、トラフィックジャムパイロットは、レジェンドだけのものでした。 このようにレジェンドは、その車名のとおり「伝説」となる数々の新技術を採用してきました。最終型レジェンドのセールスは好調とは言えず、ホンダセンシングエリート搭載車は限定100台でリース販売のみという特殊は売り方でしたが、自動車業界では「かなりスゴイ」クルマとして高い注目を集め、最後までホンダのフラッグシップモデルとしてリードしてきたのでした。
佐藤 亨