「なんでだろう」から25年…「テツandトモ」が年間200ステージをこなす“神芸人”になったワケ
■ジャージは1着10万円 所属事務所のホームページを見ると、大半がテツandトモの営業告知で埋められている。立派な看板芸人だが、彼らの強みは公的機関や学術団体などに食い込んでいるところにもある。 「日本心不全学会や日本泌尿器学会といった学術集会や、日本栄養士会のPR大使など、医療・健康系の案件が多いのですが、総務省や消防庁といったお堅い官公庁の啓発動画などにも出演しています。消防庁では動画やイベントで『テツandトモと学ぶ!○○』といったプロモーションを展開していたり、YouTubeの『総務省動画チャンネル』で公開された動画は中高生に向けた“eラーニング動画”と位置付けられています。2人のリサーチ力はもちろん、真面目なテーマを分かりやすく伝えられる『なんでだろう』のフォーマットと“学び”との相性の良さもあるかもしれません」(同) テツandトモは、ファンのいない完全アウェイの現場を数多く踏むことで、営業スタイルが研ぎ澄まされていったようだ。かつてテツは「ステージの上から一方的にネタを披露して、楽しんでもらうことばかりに頭を捉われていました。でも、営業では根本的に『喜んで』もらわなきゃいけない」(「文春オンライン」2023年2月5日)と考えを改めたと語っている。時に「毒がない」と批判されても下ネタはやらないというポリシーを貫き、テツが顎に企業にまつわるものを乗せるという芸にたどり着き、営業現場でウケるコツをつかんだとも話している。呼ばれた企業の社員に事前にネタを披露して反応を探ったり、主催者側にその土地や会社の“あるあるネタ”を聞いて徹底的に調べてからネタを練るなど、彼らの営業に賭ける真摯な姿勢が高い評価を受けるのも当然だろう。 「ちなみに、テツandトモといえばおそろいの赤青ジャージがトレードマークですが、ただの芋ジャーじゃないんです。実は、トモの激しいアクションにも耐えられるように肩の部分が補強されていたり、胸元にはピンマイクがつけやすいようにヒモのようなものがつけられているなど、完全オーダーメードだそうで、1着10万以上するとラジオ番組で明かしていました」(前出の編集者)