経済情報

大規模災害など緊急事態の発生に備える事業継続や復旧するための事業継続計画(BCP)について、茨城県内企業で策定済みとしたのは17.2%で、2023年5月の前回調査から5.7ポイント減少したことが、帝国データバンク水戸支店がまとめた企業の意識調査で分かった。22年同月の調査で過去最高を更新して以来、2年連続で減った。要因として、策定のための時間が確保できないほか、スキルやノウハウがないことが挙げられる。 BCPは企業が自然災害や感染症、テロ攻撃などの緊急事態発生時に、事業の継続や早期復旧に向けた対応を示した計画。近年はサイバー攻撃対策も含めた策定が求められる。 BCPの策定状況は、策定済み、策定中、検討中を含めた「策定意向あり」が前回調査比5.2ポイント減の41.7%にとどまり、新型コロナが拡大した20年をピークに4年連続減少した。一方、「策定していない」は同3.8ポイント増の47.9%だった。 策定済みの業種別は運輸・倉庫が最多の30.8%で、製造が25%、建設が15.8%と続いた。規模別は大企業が18.8%、中小企業が17%、小規模企業が10.5%だった。 策定意向がある企業が想定するリスク(複数回答)は、地震や風水害などの「自然災害」が70%で、17年から8年連続で最も多かった。次いで電気・水道などの「インフラの寸断」が47.5%、「設備の故障」が43.8%。サイバー攻撃を含む「情報セキュリティ上のリスク」は35%だった。 一方、策定していない理由(同)は「策定する時間を確保できない」が37%、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が35.9%となった。 策定の必要性を感じないという企業も一定数存在することについて、同支店は「行政などからのさらなる後押しによる認知度向上や理解の醸成が必要」と指摘している。 調査は5月20～31日に県内企業440社を対象に行い、有効回答は192社だった。