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有料老人ホームに認知症母と伯母2人が入所…最後に来た「救いの手」

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現代ビジネス

 父の急逝後に突然認知症を発症した母の登志子、そしてしっかり者と思っていたのに、実は認知症になりつつあり、母の実家をゴミ屋敷にしていた伯母の恵子。伯母は独身で、編集者の上松容子さんは従妹と協力して2人のケアをすることになった。 【写真】ある高級有料老人ホームに一緒に入居した夫婦が「大後悔」した理由  当初同居を反対していた義母も最後とは折れて母とも同居になり、上松さん、義母と母、そして夫と娘との生活が始まる。転んだ後に入院していた伯母の退院後の居場所も探しながら、仕事と育児に加え、自宅での母の「見守り的介護」が続いた。使用済みトイレットペーパーを流さずにトイレの床に積み上げてしまったり、他人の歯ブラシを使ってしまったり、同居して見守る介護の大変さを思い知ることとなった。そうやって頑張っている中、母が娘である自分を忘れてしまったことを知って衝撃を受ける。それでも自宅介護を続けてきたが、もはや限界に近づいており、施設にお願いする決意をした。しかし公的機関であるの特別養護老人ホームはキャンセル待ちの列ですぐには入れない。有料老人ホームも様々な場所があり、自宅介護のできない自分を責めるのだった。  今回は近県の有料老人ホームに伯母と母とが入所し、支払いし続けることを覚悟したときにきた1本の電話からお伝えしていく。名前だけ変えたドキュメント連載。

有料老人ホームが終着駅、とあきらめて

 近県の有料老人ホームに入所した、母と恵子伯母。伯母は持ち前の社交性を生かし、それなりに生活を楽しもうとしていた。母は、大人しく言われるがままに暮らしていた。 面会に行ったとき、母が隣の部屋の男性に絡まれているのを目撃した。暴力を振るわれたわけではないのだが、通りすがりに腕が触れたことを咎められており、二人とも睨み合って一触即発、というような状況にあった。私が間に入って母を部屋に戻したのだが、母が怯えていることは間違いなかった。このとき施設に非はなかったが、念のため相談員に報告し、隣室の住人との摩擦が起きないよう、工夫してもらえるよう頼んだ。  私が見ていない間に、何か辛いことは起きていないだろうか。母の境遇を不憫に思ってはいたが、差し当たって大きな問題がない限り、他の施設を探す理由はなかった。  介護経験者でもなければ、老人介護施設に種類があることを知ることもないだろう。特に、有料老人ホームと特別養護老人ホームの違いは分かりにくいかもしれない。まず有料老人ホームは大半が、要支援1~要介護5までカバーする。要介護以外の自立した高齢者が入居可能な施設もある。ただし入居一時金が必要なことが多く、場合によっては数千万円かかることがある。月額の費用は諸々合わせて15万~40万円と施設によって開きがある。  特別養護老人ホーム(特養)は、介護老人福祉施設の別称である。老人福祉法に定められた、市町村による高齢者入所措置のための施設だ。入居一時金はなく、月額費用は8万円台から13万円程度となっている。また本人の所得によって費用はかわり、低所得者には減免制度もある。つまり、マンションでいう公団、保育園でいう認可保育園のようなものである。  金額的にも優遇され、質もある程度保証されている。しかし介護認定3以上でなければ入居できない。条件がよいので申請者が多く、したがって待機者も多い。年寄りが生きている間に順番が巡ってくるとは限らないのだった。  恵子伯母は要介護2、母は入居してから要介護3となった。恵子伯母については義妹の晴子が、母については私が、それぞれ住民票のある自治体に特別養護老人ホーム(特養)入居の申請を出した。しかし、伯母は要介護2だったので、優先順位が低くなると予想された。2人分の支払いも苦しいし、冒頭のような心配事はあるが、致し方ない。この有料老人ホームが、彼女たちの最後の場所になるのか。

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