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長期化する臨時休館、美術館・博物館の対応は? ニコ生やYouTubeも

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美術手帖

 多くの美術館・博物館が臨時休館に入ってから2週間以上が経った。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、とくに公立のミュージアムは臨時休館を延期せざるを得ない状況になっている。例えば、東京国立博物館の3月21日時点での臨時休館期間は24日間で、これは2011年の東日本大震災時(17日間)を超える。  こうした状況下で、各ミュージアムも手をこまねいているだけではない。  東博は、3月3日に特集展示のひとつである「おひなさまと日本の人形」(本来の会期:2月26日~3月22日)を、研究員の解説付きでYouTubeで公開。こうした取り組みは、全国的にも珍しい。  東博の広報担当者は、この取り組みの狙いについてこう説明する。「当館のYouTubeチャンネルは2011年からありましたが、研究員による展示紹介の動画をアップするのは今回が初めての試みです。このような時だからこそ、お客様とつながりを持つことができないかと考え、ひとりでも多くの方に展示をご覧いただきたいという想いで製作しました。動画も素人で、こなれていませんが、新たな紹介動画を少しづつでもアップしていければと考えておりますので、どうか温かい目で見ていただけましたら幸いです」。  また同館では、博物館教育課(教育普及室)が「おうちで楽しむ博物館」というブログも公開。新型コロナの影響で学校が休校となっている子供を対象に、休館中でも博物館を楽しめる方法を紹介するなど、積極的な姿勢を見せている。  いっぽう、東京都写真美術館も東博に続いて展覧会をYouTubeで公開。本来であれば3月3日からスタートするはずだった「日本初期写真史 関東編」と「写真とファッション」の2展覧会の様子を、同時に配信している。しかも「日本初期写真史 関東編」は7本もの動画をアップするという力の入れようだ。  こうしたオンライン配信では、株式会社ドワンゴも協力姿勢を見せる。同社は、展覧会の展示をネットで配信するサービス 「ニコニコ美術館」を、休館中の館に対して無償で実施する方針を発表。3月11日には、休館中の三菱一号館美術館「画家が見たこども展」から生中継が行われ、同館館長・高橋明也とミュージシャン・坂本美雨が出演した。  また、日本初の個展として注目を集めている東京国立近代美術館「ピーター・ドイグ展」(本来の会期:2月26日~6月14日)もニコニコ美術館での配信を実施。同館広報はこの配信について次のようにコメントする。「何かできないかと考えていたところにドワンゴさんの取り組みを知り、お話を差し上げまして、配信いただけることが決まりました。休館中であっても、より多くの方に展覧会をお楽しみいただける機会になればと考えています」。なお同館では、Twitterで「#おうちでMOMAT」というハッシュタグを作成し、所蔵作品を紹介する取り組みも行っている。  森美術館は、「未来と芸術展」会場内で前館長・南條史生(現特別顧問)によるトークツアーを実施。その様子をInstagramで配信したほか、YouTubeでも公開をスタートした。  今回の新型コロナウイルスによる臨時休館は、奇しくも日本のミュージアムのオンラインでの取り組みを加速させている。ぜひその取り組みをチェックしてほしい。

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