SNSで浴衣姿をアップしたら炎上、“着物警察”から「昼間から着るなんて!」と…長谷川普子(58)が明かす、10年ぶりの帰国で感じたこと
SNSで浴衣姿をアップしたら、なぜ炎上?
――SNSで浴衣姿をアップしたら炎上した? 長谷川 Facebookの4万人くらいいる着物愛好家グループに、浴衣でタイの語学学校やネイルサロンに行っている写真をアップしたら、「昼間から浴衣で出歩くなんて!」と、大論争が巻き起こったんです。 ――浴衣を着て昼間に歩いたらダメ? 長谷川 もともと浴衣は「湯帷子(ゆかたびら)」といって、御殿様なんかがお風呂に入る時に着て、その上から水浴びをするものだったんです。その後、お風呂上がりにバスローブみたく羽織るかたちで浴衣を着るようになっていくんですが、つまり浴衣は歴史上、日中出歩くような服ではなかった、ということなんですけども。 ――とはいえ、現代では当たり前に昼間から着てますよね。 長谷川 私が日本にいる時だって、“浴衣でモエ・エ・シャンドン”みたいな催し物がいっぱいありましたし、もはや浴衣が街着になっている時代にもかかわらず、ネット上では「浴衣を昼間から着るなんて!(激怒)」になったんで、その乖離に驚きました。しかも、タイで昼間に浴衣を着た私の写真を炎上させていたのは日本在住の日本人で、なんかいろいろ遠いしなんだかなぁと思って(笑)。 もう10年以上前のことですけど、それより前からこういう“着物警察”はいましたね。
収拾がつかなくなり、あえて浴衣から着物へ
――人の着物についてアレコレ指摘する“着物警察”ですね。ネット上だけでなく、街なかで着物警察に会ったこともありますか。 長谷川 タイに持っていた浴衣は吊るしで売っているプリントのお安いものだったんですけど、「プリントはねぇ」と、バンコクで日本人のおばさんに言われたことがあります。 ――プリントはダメなんですか? 長谷川 いいんですよ、別に。プリント、かわいいじゃないですか。でもそのおばさんは、「染めのちゃんとしたのじゃないと」とかって言うんです。そりゃあ、染めのちゃんとしたものはいいですよ。でも、高価ですから。 「マイサイズでちゃんとお仕立てを」みたいに言ってくるおばさんもいましたし、日本だけじゃなく、世界のどこに行っても着物警察はいるんだなあと思いました。 ――着物警察に接して、着物を着るのが面倒にならなかったですか。 長谷川 その炎上で、「足袋を履けば浴衣に見えないから足袋を履け」と言われたかと思えば、「浴衣には下駄だ。足袋を履くのは粋じゃない!」とか、もう収拾がつかなくなっていたので、私はそっとそこから離れて、「じゃあ、浴衣だけじゃなく着物も着てみよう」みたいな、すごい軽いノリで着物をはじめたんです。だから私の場合はむしろ、炎上によって着物に足を踏み入れたのかな(笑)。
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