ゴールド選ぶ豊かな若者も、中国で高額化する「母の日」の贈り物
【東方新報】中国でも5月第2週の日曜日は「母の日」。毎年5月に入ると母親へのプレゼントセールでにぎわうが、ここ数年は金のアクセサリーなど高額なプレゼントが増えている。 中国で母の日のプレゼントというと、カーネーションのほか、マッサージ器などの実用品、健康食品あたりが定番で、「母親の足を洗う」「母親のために食事を作る」という行動で感謝の意を表すとも多い。 最近は宝飾品や洋服、バッグ、化粧品などのプレゼントが増え、ショッピングサイトの母の日ギフトの売れ行きはこの3年間で3倍になったという。今年の労働節の連休(4月30日~5月4日)では、女性ユーザーに人気のある巨大ECサイト「唯品会(Vipshop)」や有名ジュエリー専門店「周大生(Chow Tai Seng)」で、母親へのプレゼント用に金の装飾品が多く売れた。金はかつて皇帝の装飾品に使われ、高貴なイメージから中国人が好む色だ。 高額プレゼントを買う主力は、「新時代の消費者」といわれる「95後(1995~99年生まれ)」の世代だ。湖南省(Hunan)武漢市(Wuhan)の25歳の女性、馬さんは、ランの花がデザインされた2400元(約4万6000円)の金のネックレスを購入。5月8日の「母の日」にプレゼントした。「私を大切に育ててくれた母親への感謝を示すには、これぐらい高くありません」と話す。 中国の急激な経済発展とともに成長してきた「95後」世代は、物心がついて以降、どんどん豊かになる生活を送ってきた人が多い。可処分所得が多く消費力が旺盛で、母親に高額プレゼントをふんぱつするようになっている。 また、今年は、プレゼント用の生花でカーネーションより牡丹(ボタン)の売り上げが各地で上回ったという。牡丹は梅と並んで中国で最も親しまれている花で、5月が開花シーズンなことから「五月花神」と呼ばれる。 中国の若者の間では、欧米ブランドより中国ブランドを選ぶことが「国潮」と呼ばれるトレンドとなっている。中国原産の牡丹を選ぶことも、国潮の流れと言えるかもしれない。 「母の日」のプレゼントは昔から変わらぬ習慣だが、その内容の変化は時代の流れを象徴している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。