ファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動、「料理するのは母親だけですか?」
ファミリーマートの惣菜シリーズ「お母さん食堂」の名前を変えるよう同社に訴える署名キャンペーンが始まっている。署名を立ち上げた女子高校生3人の思いと、ファミリーマートに見解を聞いた。 【全画像をみる】ファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動「料理するのは母親だけですか?」
偏見を助長しないで
署名「ファミリーマートの『お母さん食堂』の名前を変えたい!!!」を立ち上げたのは、京都府・兵庫県・岡山県に住む女子高校生3人だ。 3人は公益社団法人ガールスカウト日本連盟の会員。全国のメンバーが集まり、女性差別やジェンダーバイアスなどについて学んだ際、この「お母さん食堂」というネーミングに疑問を抱いたという。 署名グループでリーダーを務める女子高校生(3年生)は言う。 「『お母さんが食事をつくるのが当たり前』というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を助長しかねません。日本では女性が家事や育児をするものという価値観が強く、仕事を諦めざるを得ない女性も多いのが現状です。 『お母さん=料理』というイメージを変え、世の中のお母さんの負担を減らしたい。性別によって役割が決まったり、何かを諦めたりしなければいけない社会は嫌なんです。 コンビニは私たちの生活に根ざしていて、影響力も大きい。この名前を変えることが、ジェンダー平等な社会につながると思っています」
小学生から料理の手伝いに男女差
家事は女性がするもの、という大人や社会のジェンダーバイアスは子どもへの影響も大きいと前出の女子高校生は言う。 小学5年生と6年生で料理の手伝いを「いつもしている」「時々している」と回答した割合は、平均で男子53%、女子76%と、男女間で大きな差がある(独立行政法人国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査」2016年度調査)。 またガールスカウトが行った『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019』でも、「女の子だからという理由で、兄弟間で自分だけ家事が増やされたり、料理ができないと責められたりする」という回答があった。 署名メンバーは2020年春にはSNSやガールスカウトのメンバーを対象にアンケートを行い、お母さん食堂に代わるネーミング候補を出して投票してもらったそうだ。当時の代案は「ふるさと食堂」「食卓の味」「満足亭」の3つ。最も人気だったのは「ふるさと食堂」だったという。