「家族が急に倒れたら!?」コロナ禍の介護で、注意すべきこととは。
東京消防庁によれば、救急車の月別の出動件数で秋が6万件前後なのが、12月・1月は風邪やインフルエンザが原因で、7万5000件前後まで急増するといいます。(※) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が再びはやり始めたこの冬。介護者は例年以上に緊急時の対応に備える必要があります。 そこで、30歳過ぎから祖母の在宅介護を6年間経験した筆者の経験をもとに、「家族が急に倒れた時の介護者がコロナ禍で注意すべき3つのこと」をお伝えします。ご参考になれば幸いです。
「救急車を呼ぶ前に」介護者が心がけたいこと
ある日の夜中、突然祖母の寝室から「ドンドンドン」と音がしました。 筆者が目を覚まし寝室へ行くと、祖母が横になって転倒…。私は「ばあちゃん、どないしたん? 大丈夫か?」と声をかけましたが反応がなく、急いで救急車を呼びました。 10分後、救急隊員が数名ほど到着し、検温や問診の結果、救急搬送に。そして「尿路感染」により、2週間の入院が必要と診断されたのです。 筆者はこのとき、介護者として3つの注意が必要だと感じました。 (1) 就寝前に検温と血圧測定をする ふだんは、祖母が寝る前にできる限り体温や血圧を測っていました。ところがこの日はバタバタしていて測定していませんでした。 認知症が進行した高齢者などは、体調変化に気がつきにくい場合があります。特にこのコロナ禍では、介護者が注意して、できるだけ毎日測定してください。 (2) 119番ではなく7119番に相談してみる 7119番に連絡すると、救急安心センター事業の窓口につながります。症状を具体的に伝えると、救急車を呼ぶほどの緊急性や、病院受診の必要があるかどうか、医師や看護師が相談にのってくれます。コロナ禍では救急車や救急隊員の不足が予想されますので、命に関わるような、一刻を争う症状ではない場合、まずは7119番を利用しましょう。 (3) 救急車を呼んだ後「4点セット」を用意する 7119番に問い合わせた結果、救急車を呼んだほうがいいと告げられた場合、介護者は速やかに119番に連絡しましょう。そして、救急隊員がかけつけるまでに下記のものを用意しましょう。 ・健康保険証・介護保険証 ・お薬手帳 ・診察券 ・薬 救急隊員が心電図・聴診器・問診をした結果、病院搬送が必要と判断した場合、本人の保険証類、お薬手帳、診察券、薬の保管場所などを聞かれると思います。 複数の救急隊員が自宅へ入ると、介護者自身が緊張や動揺で、どこにあるかをすぐに答えられないことがあります。また、本人しか保管場所を知らない場合も。筆者も祖母が倒れた時、どこにあるかを把握していませんでした。介護者は、普段から大切なものがある場所を必ず確認しておきましょう。 そして、介護者は救急隊員に保険証・お薬手帳・診察券・薬を速やかに渡し、不要不急の用事がない限り、救急車に同乗しましょう。 ただし、救急隊員から「新型コロナウイルスの感染防止で密を回避するため本人と別々に来て下さい」と言われる場合も少なくないでしょう。その際、介護者は指示に従いタクシーや公共交通機関や自家用車で移動してください。 次では、万が一、介護する側が新型コロナウイルス感染症に感染してしまったときのために有効な対策をご紹介します。