「それって人生ゲームみたいなやつ?」 まだまだ知られていない「アナログゲーム」の世界
「それって人生ゲームみたいなやつ?」――。 最近SNSで話題になったフレーズですが、同僚や友人などをボードゲームやカードゲームといった(ビデオゲームやPCゲームなどのデジタルゲームと対極にあるといった意味で一般的に使われている)アナログゲームに誘うと、多くの人からこうした反応が返ってきます。 【カタンの開拓者たちなど】 一方、日常的にボードゲームを楽しんでいる人からすると、「メディアで紹介される機会もだいぶ増えてきたし、もうみんな知っているよね」と思われているかもしれませんが、まだまだそういうわけではないようです。 矢野経済研究所が調査した2020年度玩具9品目別市場規模(日本国内出荷金額ベース)によると、テレビゲーム分野が3850億円に対し、アナログゲームなどを含むゲーム類分野は148億円と4%にも届きません。 という状況ですので、アナログゲームに触れていない人からすると、「それって人生ゲームみたいなやつ?」と思われるのは、ごくごく普通の反応といえるでしょう。 とはいえ、メディアが報じているように、アナログゲームの世界が盛り上がっているのも事実でして。これまでになかった工夫を盛り込んだ新製品は、年に1000点以上も登場していて、この傾向は今後も続くとみられています。
“いま話題の”ボードゲーム
では、人生ゲームと“いま話題の”ボードゲームは、どのような違いがあるのでしょうか? 大きな要素として「他のプレーヤーとのかかわり方」「ゲームに盛り込む世界観」「デザインの美しさ」などが挙げられます。 例えば、「モノポリー」。自分の駒が止まったマス(モノポリーの世界観では土地を表す)が自分のモノになります。自分の土地に相手が止まったら「使用料」を徴収できますが、特定のグループで構成する土地(1つのグループは連続する3つないし2つ土地で構成されます)を所有すると、「家屋」「ホテル」を建設して使用料を高くできるのです。 しかし、駒が進む数は、スゴロクのように「サイコロを振って出た目」で決まります。となると、自分が止まったマスだけではグループを構成することは難しく、必要な土地を手に入れるためには、他のプレーヤーとの「交渉」が欠かせません。 また「カタンの開拓者たち」(以下、カタン)では、点を得るために自分の駒(駒の種類に都市、開拓地、街道があって、それぞれ点数が異なる)を盤上に置く(「建設」と呼ぶ)必要があります。 この建設には木材、レンガ、小麦、鉱石などの「資源」が必要になるのですが、こちらもサイコロを振って出た目によって得るモノが違ってきます(資源が得られやすいように、サイコロの目の確率から策を講じるのもゲームの面白いところです)。というわけで、自分に必要な資源を手に入れるためには、他のプレーヤーと「交渉」しなければいけません。