阪神最強のジョーカー 今季登板なしも「球界代表する投手」期待の左腕は
アマ時代から規格外の直球
アマチュア時代からその名は知られていた。DeNA・平良拳太郎は週刊ベースボールの「最高のストレート」というテーマで、高橋の名前を挙げていた。 「ストレートと言えば、同学年の阪神・高橋遥人投手。実は沖縄・今帰仁中3年の春に、全国大会(文部科学大臣杯 第1回全日本少年春季軟式野球大会)の準決勝で常葉橘中の高橋投手と対戦したことがあって、沖縄や九州の大会でも見たことのないようなストレートを投げていました。ボールの下を振っているのが分かるくらい、速くて伸びている。試合は0対2で敗れましたが、7イニング制で21アウト中半分以上は三振を取られたと思います。プロに入って、2019年のCSファーストステージ第3戦で互いに先発したときに対戦しましたが、あらためて速いなと。テレビで見ても突き刺さるような球で、やっぱりすごいなと思います」
球団OBも大きな期待
球界を代表する左腕になれる素質を持ちながら、度重なる故障という試練が待ち受けていた。だが、表舞台から遠ざかった時期もその期待が消えることはない。かつて、阪神のエースとして活躍したOBの藪恵壹は今年のシーズン前に、「二軍ではガラスのエースと言われる高橋遥人投手がコンディションを上げていると聞いています。ようやく目の色が変わったように感じますし、持っているポテンシャルは、すごいものがある。彼が調子を上げて支配下に戻り、一軍復帰を果たすようだと、かなり強い先発陣になるでしょう」と期待を込めていた。 岡田彰布監督が就任し、リーグ優勝を飾った昨年は8月以降に34勝16敗1分と圧倒的な差をつけ、首位を独走した。阪神の生命線は投手陣だ。才木浩人、西勇輝、大竹耕太郎、ビーズリー、村上頌樹の5本柱は強固だが、伊藤将司と青柳晃洋は調子を落としてファームで調整している。背番号「29」で再び復帰した高橋が完全復活すれば、チームも勢いづくことは間違いない。 写真=BBM
週刊ベースボール