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景気はどん底なのにアメリカ株はなぜ上がる?

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ニューズウィーク日本版

<GDPは3割減、失業率は11%で、コロナ患者数は世界最大で経済再開もままならないのに、投資家は何を考えているのか>

3月末、投資家たちが新型コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響の大きさを察するや、株価はきりもみ状態に陥り、暴落した。【ルーシー・ハーレー・マッケオン】 【チャートで見る】コロナ失業のリスクが高い業種 現在、ダウ工業株30種平均は、1月の水準から6%近く下落しているものの、おおむね1年前と同じ水準で取引されている。 S&P 500社株価指数も、前年8月より高値で取引され、年初から2.3%上昇した。 ナスダック指数に至っては、新型コロナウイルスによる暴落前の高値を12.2%上回っている。 3月の暴落以降、投資家たちの市場に対する信頼感はなぜ回復したように見えるのか。経済のあらゆる領域で、警戒警報が鳴り響いているというのに? コロナウイルスの再拡大により、ロックダウンに逆戻りしたり、経済活動の制限緩和を一部延期する事態が生じている。カリフォルニア、テキサス、フロリダといった経済的に重要な州では、感染拡大も著しく、現在も部分的に活動が停止している。 アメリカの第2四半期のGDPは前期比で32.9%減少し、過去最悪の下げを記録した。失業率は6月、11.1%に達した。 「株式市場は、新たな情報への適応が非常に得意だ」と、ロンドンを本拠とするIG証券の首席市場アナリスト、クリス・ビューシャンは言う。 「3月に投げ売りが起こったのは、新型コロナウイルスの広範な影響を誰も予想していなかったからだ。予想もしなかった危機は人々をパニックに追いやる」 「一方今は、投資家は経済データを無視している。そして大胆なほど楽観的になっている」 「人々はおそらく、景気がそれなりに回復するなら株価には十分買いの余地があると考えているのだろう」 <早期のワクチン開発に期待> 投資家が楽観的になのには他の理由もある。第5弾となるコロナウイルス関連支援策が連邦議会で議論されているのだ。 米議会が夏季の休会期間に入り、議員がワシントンDCを離れるまであと数日しかなく、民主党と共和党の議員はそれまでに合意に到達しなければならない。 法案の一部分についてはどうにか合意したが、新型コロナウイルス感染訴訟から米企業を守るコロナ免責や学校に対する財政支援、失業給付の拡大に関しては、両党の意見はいまだに割れている。 一方で、治療法やワクチンができる可能性も見えてきている。治療薬やワクチンの開発が成功すれば、景気回復が加速し、予想より早く平常に戻れるようになるだろう。 オックスフォード大学とアストラゼネカは7月20日、開発中のワクチンについて、人を対象とした第1段階の治験の結果、「安全で、免疫反応を誘発した」と発表した。 現在、あちこちでさらに大規模な治験が進められているが、ワクチンで新型コロナウイルスが完全に予防できるか定かではなく、また感染第2波の脅威も迫っている。 「第2四半期のデータを見るかぎり、景気はまた悪くなるかもしれない。だが、おそらくそれほど悪くはならないだろう」とIG証券のビューシャンは述べる。「大きな感染の波が来したとしても、市場は前回と同じようには反応しないと思う」 (翻訳:ガリレオ)

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