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AGCが「遺伝子・細胞治療薬」市場に新規参入。イタリア上場MolMed社のTOB完了を発表

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BUSINESS INSIDER JAPAN

AGCは7月28日、遺伝子・細胞治療薬を開発しているイタリアのMolecular Medicine S.p.A(以下、MolMed社)の株式公開買付(TOB)が完了したと発表した。 【全画像をみる】AGCが「遺伝子・細胞治療薬」市場に新規参入。イタリア上場MolMed社のTOB完了を発表 6月1日に公開買い付けを開始し、7月24日までに対象株式の約93%となる4億3208万3197株を取得した。買い取り価格は総額で約270億円。7月31日に支払いを予定しており、ただちにAGCグループの連結子会社になるという。 また、現在MolMed社はミラノ証券取引所に上場しているが、残り約7%の買い付け期間を経て上場廃止となる。

成長事業・CDMOへの積極投資進む

AGCは、CDMO事業(※)を含む「ライフサイエンス事業」において、2025年に1000億円以上の売り上げ規模を目指して設備投資を進めている。 ※CDMO事業:医薬メーカーが開発した医薬品の製造を、製造プロセスの開発から請け負う事業。 実際、2016年頃から毎年、ライフサイエンス事業の拡大に向けて企業買収や設備増強などの投資を進めてきた。2020年6月には、米アストラゼネカ社からバイオ医薬品原薬製造工場を買収したばかりだった。 これまで、AGCのCDMO事業は、合成医薬品の製造や、動物細胞や微生物を培養することで作るバイオ医薬品の製造を中心に進められてきた。今回のMolMed社の買収によって、同社として初めて遺伝子・細胞治療薬領域にCDMO事業の幅を広げたこととなる。 医薬品の製造市場は、近年堅調に成長している。 とりわけ、今回買収したMolMed社の事業分野である遺伝子・細胞治療薬市場では、2024年までの5年間に、2019年度と比較して55%以上の市場規模の拡大が見込まれているという。 AGC化学品カンパニーライフサイエンス事業本部長の小室則之氏は、ライフサイエンス事業の一連の積極的な投資を踏まえて、 「2025年の(売り上げが1000億円以上という)目標はかなり前倒しで達成すると見込んでいる」 と今後の事業展開について期待を話す。 遺伝子治療や細胞治療にはいくつかの領域があるが、MolMed社は、患者から取り出した細胞に治療に必要な遺伝子を導入して培養した上で、再び患者へと移植する技術や、特定の遺伝子を導入したウイルス(無害化されたもの)を患者に直接投与して治療する技術を持っている。 もともと創薬を事業の中心に据えていたものの、近年こういった分野でのCDMO事業に力を入れ始めていた中で、AGCに買収された形だ。 「この技術を手に入れることで、再生医療などの関連する技術への展開も視野に入れやすくなるといえる」(小室氏) TOBが完了したばかりであるため、当面はMolMed社がこれまで行ってきたCDMO事業を引き続き進めていく、としながらも、 「まずは日米欧の自社サイトに技術を展開していくことが先になります」(AGC広報) と、新規参入によって得られた新たな技術の共有化を進め、グループとしてCDMO事業のさらなる推進を図っていくとしている。 (文・三ツ村崇志)

三ツ村 崇志

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