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日本にもあった!「伝説のレーシングカー」のロードバージョン

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octane.jp

4年後にレストアが終了

とはいえA氏のオーダー通り徹底的なレストアを行った結果、作業が終了したのはその4年後の2016年8月頃になっていた。その時にシート合わせ(ペダル位置を調整する)を兼ねてアトランタのロバート・アッシュ(F.A.V社、レーシングアイコンズの代表)の自宅で、やっと自分のGT40との対面を果たした。 初めて乗り込んだコクピットの印象は思ったよりも狭かった。ペダルボックスで足元を合わせたがステアリングにも充分腕が届いた。これで本当に欧米のドライバーは乗れたのかと思うほどのタイトさだった、と記憶しているという。 各パーツ類はクラックテストを行い、オリジナル物を極力使い、現代の保安に関わるもの以外は、塗装やコーティング他加工方法などを含めて、あらゆる面で当時と同じ仕上げとなっていた。他にもホイールはクラックテスト済の記録シートが、またエンジン・オーバーホール後のベンチテストシートも添付され、メカニカルな部分の記録も含めて、オーナーズマニュアルが2冊も用意されていたという。その時に履いていたタイヤは新車時(!)のデッドストックと言われたグッドイヤー。オリジナルのボラーニ製ホイールに履かせてあった。  前述のとおりレストア期間は約4年におよんだ。空輸通関を経て2016年10月27日にA氏の元にやってきたGT 40 Mk1ロードバーション。A氏はしばらくの間、このGT40を眺めているだけでも充分満足であったので、実はこのタイミングまで親しい友人や兄弟にもこの車の存在を伝えていなかった。 【写真10点】日本にもあった!「伝説のレーシングカー」のロードバージョン   こんな名車を、なぜ今まで表に出さなかったのか? A氏は幸運にも「究極の車」を手に入れることができた。たぶん、その重みさえも楽しむ時間が少々必要であったのだろう。ただしフォードGT40の価値を知っているA氏にとって、この状態の1054は確かに状態は美しいが、あくまでコンクールコンディションに過ぎない。やはり正しく走らせるためには、そろそろ故郷の英国に戻して正しくセットアップしようと考えていたところだったという。 「車の楽しみ方は人それぞれです。この車は私の元に来てからはまだ公道、サーキットともに走行歴はありません。これからきちんと走行できるように仕上げていきますが、ただし私の目的はあくまでオリジナルロードカーとしての維持です。レースに出走するような改造等は絶対に行いません。なぜなら、この1054も、いずれいつかは次のオーナーのところへ行くでしょうから。それまで今の姿を保ち続け、正しい橋渡しができるよう努力する考えです」   やがて、どこかで、このGT40の走る姿を見られる時がとても楽しみである。

Octane Japan 編集部

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