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なぜ財務省は巨大な力を持ってしまうのか? 名著が明らかにした「お金の支配力」

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ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」。 こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。 今回、紹介するのは『現代経済学の直観的方法』(長沼伸一郎著・講談社刊)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。

こんな講義が受けたかった!経済学の芸術的な総まとめ

経済学。いかにも距離をおきたくなる言葉ではないでしょうか。 多くの人と同じように、私も経済学にふれることがあるにはあったのですが、現実への影響を感じることができず、強い興味が持てずにいました。 でも『現代経済学の直観的方法』を読んで考えが変わりました。経済学は社会の仕組みを理解するために必須で、鋭い切り口の学問領域だと思いました。本書をあえて一言で表現すれば、最短距離で読者を経済学の本質に到達させようという、野心的な試みをした本です。 本書は足掛け20年もの歳月をかけて作られたといいます。ここまで枝葉を切り落とした作品を仕上げるためには、様々な試行錯誤を重ねられたのだと思います。そして、その苦労の結晶が読める私たちは幸運です。 資本主義の原理原則から始まり、インフレとデフレ、アダム・スミス、ケインズ、マルクス経済学、金融、仮想通貨といった一見難解な理論が、まとめてわかります。それもタイトルの通り、直感的に理解できる形で説明されています。 本書のハイライトは、最後の第9章です。悠久の歴史の流れを踏まえた上で、今後の資本主義社会がどのような形になるのかを想像するような構成になっています。

資本主義の核心とは

鉄道の登場によって、補給線が提供できる物量の上限が取り払われて、国家間の戦争が苛烈な総力戦になったといいます。それと同じことが経済でも起きています。 戦争における鉄道の役割を果たすものは、経済では銀行を中心とする「金融機関」です。私たちは経済の補給線たる資金源に依存した社会に暮らしているのです。 そして資本主義には経済を成長させることを宿命づける恐ろしい仕組みが備わっています。それは「金利」です。借入金には金利の支払が定められているので、資金を借りた人はその金利以上に稼げるように、事業を成長させようと努力をするのです。 であれば、企業がそのように恐ろしい借入をするのはなぜでしょうか。例えばある市場機会を見つけた会社が、稼いだお金をこつこつ貯めて10年後に投資をしようとしていたとします。 ところが他の野心的な会社が、必要な資金を銀行から借りて投資を行い、すぐにその市場機会を満たしてしまったとします。そうすると、10年間かけてこつこつお金を貯めようとした会社には、市場機会が残りません。銀行の力は、事業家の野心を最短で実現する、悪魔の力とも言えるのです。

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