「友達のいない父親が思い浮かんだ」竹田ダニエル新刊、アラサー女子4人で読んでみた!
仕事一筋の結果、友達の少ない父親が思い浮かんだ「メイル・ロンリネス」
■Male loneliness(メイル・ロンリネス)・・・男性の孤独。「alpha male」(アルファ・メイル=支配的な肉食系男子)以外は弱い存在である、などの「toxic masculinity」(トキシック・マスキュリニティ=有害な男性性)によって、男性が自分の弱さを打ち明けることができない空気がつくられ、さらに孤独を深めるサイクルを生み出していると言われる。 ──第4章の「恋愛・人間関係」にある「メイル・ロンリネス」の問題を、身近に感じることはありますか? K メイル・ロンリネスについて読んだとき、父親の顔が浮かんだんです。仕事一筋で生きてきた人だから、プライベートでの友達があまりいない…。でも最近、ゲームなどを通じて地域の人と仲良くなったようで、安心しました(笑)。 S 素敵! やっぱり趣味は大事ですね。 N 私のパートナーもワーカホリックで、友達が少ないタイプ。私が友達の話をしていたときに、「友達がいっぱいいて、すごいね」と言われたことがあるんです。本人は「仕事が好きだし、一人で過ごすのがラク」だと言っていたけれど、ちょっと強がっているようにも感じられて…。 K 同世代の男性を見ていると、私の父親のようになる将来が安易に想像できるんです。平日は接待や残業続きで、週末も取引先とのゴルフなどでつぶれるから、プライベートな時間がまったくない。 「そんな生活を続けてたらしんどくならない?」と聞いたら、「男は、女とは違うゲームをしているんだ」と言われたことがあって。男はこうあるべきだという価値観やプライドを強く持っていて、それが孤立につながるんだろうなと思いました。 S 前の職場では、女性同士はPMS(月経前症候群)のことまでオープンに話し合っていたけれど、男性同士でプライベートについて話している場面をあまり見たことがなかったですね。女性が多い職場だったから、女性に対してすごく気を遣っているのも感じられました。 K ハラスメント意識が浸透して、女性に対するデリカシーのない言動は改善された一方で、根本の意識は変わっていないと感じます。 老舗の日系企業で働いている友人が、男性優位な職場環境の不満を男友達に漏らしたところ、「そういう会社だと理解して入社したんでしょ?」と言われたそう。そもそも男性優位な構造がおかしいのに、それに対して一切、疑問を抱いていないんですよね。 R すごく共感します。アダルト産業について話していたときに、「アダルトビデオに出演するのは女性の選択だから、性的搾取とは言えない」というパートナーの考えを聞いて、根本的な意識の違いを感じました。 S 当事者でなければ見えない景色は確かにあるけれど、もう少し理解しようとする姿勢を持ってくれてもいいのかな、とも思う。男性の理解が深まれば、男性自身も生きやすくなるし、メイル・ロンリネスの問題も改善するはずですよね。