東海オンエアとしみつ「YouTube発アーティストがどこまでやれるか見せてやろう!」全国ツアーレポート
青春ヶ丘俊光(東海オンエア・としみつ)の1st ワンマンツアー『全力疾走ツアー この漢 青春ヶ丘』が11月17日、東京・Spotify O-EASTでファイナルを迎えた。アーティスト名を“TOSHIMITSU”から“青春ヶ丘俊光”に改名後初の全国ツアーで、9月7日の名古屋ダイアモンドホールを皮切りに全国8都市15公演で開催。ファイナルの夜公演は、LIVE配信も行われた。 【写真】青春ヶ丘俊光のライブの様子 としみつは、東海オンエアとして2013年から動画投稿を開始。チャンネル登録者710万人を誇るモンスターグループの一員として、YouTube界を牽引している。 また、2018年に自主レーベル「青春原盤制作所」を設立し、2019年6月にソロアーティスト“TOSHIMITSU”として初のミニアルバム『THE BEST』をリリース。これまでに「夢で逢いましょう」などシングルを配信している他、今年6月にリリースした『THE BEST 4』まで4枚のアルバムをリリース。また財部亮治、JENNIとのユニット“TTJ”としても活動し、楽曲「シャウト!」はYOASOBIのAyaseがプロデュースを務めたことも話題となった。さらに大人気アニメ『ONE PIECE』の歴代主題歌をカバーしたコンピレーションアルバム『ONE PIECE MUUUSIC COVER ALBUM』には、ヒカキンやフィッシャーズらと共に、TOSHUMITSU、TTJの2名義で参加している。 ・思わず巻き込まれてしまった、この“漢”の魔力(パワー)に! 歌いまくり騒ぎまくりで、ステージのみならず客席でも大暴れするなど、文字通りの“全力疾走”で駆け抜けた2時間弱。お立ち台に飛び乗って「ファイナル渋谷、始めようぜ!」と叫んで、鬨の声を上げた1曲目「輝跡」。「浪漫tic STAR」では「もっと声くださいよ!」と観客を煽り立て、両手を広げて会場に響く大歓声を全身で浴びながら、「戦いに来たんだよ。どっちが最後まで走っていられるか勝負しようぜ!」と高らかに宣戦布告した。 会場を縦横無尽に駆け回った俊光。「ハッピーにいこうぜ」ではサイドステージでパフォーマンスし、みんなでピースをしながら体を揺らす。「C.A.K.E」では「恥ずかしがらずにやって」と声をかけ、体で「C.A.K.E」のアルファベットを作る振り付けをみんなで楽しんだ。一転、「RESTART」と「Freedom」は、ピアノをメインにしたサウンドのバラードでお届け。静かに聴き入った観客から贈られた割れんばかりの拍手に、「ディナーショーとかできそうじゃない?」と冗談めかしてうそぶいた。 まるでジェットコースターのように緩急ある展開で、観客のハートを揺さぶったステージ。「油断していると、そっち行っちゃうからな!」と言って繰り出した、アッパーのロックチューン「Revolver」では、実際に客席のなかに突撃! 観客に体を支えられながらフロアの中央の柵に立ち、これでもまだ全然足りないといった様子で、「戦いに来たって言ってるじゃん! “愛してる”と言ってくれ!」と、客席を360度見渡しながら叫ぶと、観客によるこの日最大ボリュームの〈愛してる!〉の声が会場を激しく揺らした。 本編ラストナンバー「夢で逢いましょう」の前には、東海オンエアとしての活動や個人の動画配信など多彩な活動を行っていることに触れ、「泥酔して床に転がっている俊光、四つ葉のクローバーをタンクトップで探している俊光、このステージで歌っている俊光。誰が誰だか、なにをどう観ていいか分からなくなるかもしれないけど、ただ応援したいという純粋な気持ちでライブに来てくれた、それだけで嬉しい。それが、ステージに立ち続ける理由になる」と話し、どれも同じ一人の俊光であり、みんなの応援したいと思う気持ちを優先し、その気持ちに応えたいとコメント。さらに2025年4月から全国5カ所のZeppツアー開催を発表し、「YouTube発信のアーティストがどれだけやれるか、俺たちで見せてやろうぜ!」と力強くコメント。 アンコールではファイナルということで、新曲2曲を披露した。1曲は全体にポップだがエモーショナルさも感じさせ、メロコアのようなアンセム感が満載の楽曲。コール&レスポンスの練習を経て披露され、俊光の「みんな歌え!」のかけ声で、〈アイヤイヤー〉と歌う観客の声が会場に響いた。もう1曲はスケールの大きさを感じさせるロックチューンで、真っ直ぐ指を上に突き立て、みんなでジャンプして楽しみ、観客の「最高!」の声に、「おまえらも最高だったよ!」と応えた。そしてライブの最後には「去年東海オンエアが大変になった時期、自分のどうしょうもない気持ちを書き殴ったメモを元に書いた曲」と説明して「ユートピア」を歌い、「おまえらのポケットのなかに俺はいるけど、ステージの上にもいるから、いつでも会いに来いよ!」というメッセージでライブを締めくくった。 MCで特に印象に残ったのは、「好きなことをずっとしていたいじゃん。隣にいる友だちと好きなことだけやって、酒飲んで、死ぬまで笑ってたくねえ? そんな最大級の理想を追いかけて、これからの人生を送って行きましょうよ」というコメントだ。 人生はそんな簡単なものではないと否定し、絵空事だと笑う人もいるだろう。しかし、夢と理想を語らない人間について行きたいと、一体誰が思うだろうか。俊光は夢と理想に向かって努力し続ける姿を見せ、有言実行を果たして来た。だからこそ俊光の言葉には力がある。誰も観たことのない景色を見せてくれそうな予感がある。ピュアで、アツく、エモーショナルで、そしてロマンチック。この男と出会ってしまったが最後、誰もが心を“青春色”に染め上げられてしまうだろう。
榑林 史章