67歳、年金だけではカツカツです。「年金生活者支援給付金」をもらえれば生活は楽になるでしょうか?
年金は老後の生活の支えになります。しかし、なかには年金だけでは老後の生活が苦しいという人もいるのではないでしょうか。そのような人に注目してほしいのが「年金生活者支援給付金」です。 本記事では、年金生活者支援給付金の受給要件や金額を紹介していきます。合わせて、その他の、老後の生活が苦しい場合の対策も解説していきます。
年金生活者支援給付金制度とは?
年金生活者支援給付金制度とは、公的年金などの収入金額や所得が一定基準以下の年金生活者の生活を支援するための制度です。給付金は消費税率引き上げ分を財源としていて、年金に上乗せして支払われます。 年金生活者支援給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」「生涯年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類があります。それぞれに受給要件と受給額が異なるため、注意しましょう。 「老齢年金生活者支援給付金」の受給要件は、以下の3つです。 ・65歳以上の老齢基礎年金受給者である ・同一世帯の全員が市町村民税非課税である ・前年の公的年金の収入金額(障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まず)とその他の所得の合計額が88万1200円以下 受給額は、保険料納付済み期間に基づく額(月額)と保険料免除期間に基づく額(月額)の合計額となり、保険料納付済み期間に基づく額(月額)は「5140円×保険料納付済み期間/被保険者月数480月」、保険料免除期間に基づく額(月額)は「1万1041円×保険料免除期間/被保険者月数480月」の計算で求めます。 年金生活者支援給付金は年金に上乗せして支払われるため、所得基準額を少しだけ超えて給付金を受け取れない人よりも、給付金の受給者の所得総額が多くなるという逆転現象が起きる可能性があります。 そのため、前年の公的年金の収入額とその他の所得の合計額が「78万1200円超で88万1200円以下」の人は、老齢年金生活者支援給付金ではなく「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されることになります。補足的老齢年金生活者支援給付金は、保険料納付済み期間に基づく額(月額)に一定割合を乗じて計算されます。 次に、「障害年金生活者支援給付金」の受給要件は以下の2つです。 ・障害基礎年金の受給者である ・前年の所得が472万1000円以下(障害年金などの非課税収入は含まず。扶養親族などの人数が増加すると、所得の上限も上がる) 受給額は、障害の程度に応じて異なり、障害等級2級の場合は月額5140円、障害等級1級の場合は月額6425円になります。 「遺族年金生活者支援給付金」の受給要件は、以下の2つです。 ・遺族基礎年金の受給者である ・前年の所得が472万1000円以下(遺族年金などの非課税収入は含まず。扶養親族などの人数が増加すると、所得の上限も上がる) 受給額は、月額5140円です。ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5140円を子の数で割った金額がそれぞれに支払われます。