【皮膚科医が解説】“あせも”は大人も注意! 主な症状や原因、予防法って?
あせも=子供というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか? しかし気温が高い近年、大人も要注意してほしいもの。そこで今回は、サマンサクリニック 貞政裕子院長にあせもの症状や原因、予防法などについて伺いました! 最新ビューティ事情はこちら!
Q1:あせもって? どんな症状があるの?
あせもは主に3種類に分類されます。 1)水晶様汗疹 角層内または角層直下で汗腺の導管が閉塞することで、直径数ミリの小さな水疱ができます。赤みも痒みもなく、乾いて自然に白色の薄い膜のように剥けます。生後1ヵ月以内の赤ちゃんの顔にできることが多いですが、大人でも発熱など大汗をかいてできることがあります。 2) 紅色汗疹 角層の下にある表皮内の汗腺の導管が閉塞することで生じ、1~2ミリの赤いポツポツができます。赤みが強く、痒みも強いのが特徴で、主に汗がたまりやすい肘や膝の曲がるところ、首や脇にできやすいです。高温多湿の環境になるボイラーマンや料理人、肥満や汗かきの人、乳児によく見られます。 3) 深在性汗疹 紅色汗疹を繰り返しているうちに、発汗の際痒みのない蒼白色の平らなぶつぶつが密集して多発するようになります。熱帯地方で見られるあせもの重症型で、発汗停止によって熱中症を合併しやすくなります。
Q2:あせもの原因って?
あせもはエクリン汗管の管(導管といいます)の閉塞によって、汗が皮膚の表面に流出できないことが原因です。溜まってしまった汗が導管周囲の組織に漏出して発疹となります。高温多湿の環境で体を動かしたり、病気による発熱、湿布や包帯・ギプス・絆創膏・通気性の悪い衣類の着用など、汗を多くかく状況でなりやすいです。
Q3:あせもができたらどう対処すればいい?
入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、高温多湿を避けましょう。湿疹化している場合は皮膚科でステロイドの塗り薬が処方されます。また、細菌の二次感染を合併することがあり、この場合は抗生物質が必要なこともあります。この場合も皮膚をこまめに洗うことが重要です。
Q4:あせもを予防するためにできること
【予防法1】冷房を上手に利用し、高温多湿の環境を改善させましょう。 【予防法2】汗はこまめに拭きましょう。拭き取るハンカチやタオルは清潔なものを使います。スポーツや調理などで発汗が多い場合は予備のタオルがあるとよいでしょう。 【予防法3】たくさん汗をかいたらシャワーで石鹸も使って落としましょう。腕は水道の水で流すのも良いです。 【予防法4】スキンケアとして保湿しましょう。 参考文献:清水宏(2019)『あたらしい皮膚科学第3版』中山書店 大塚藤男・上野賢一(1971-2020)『皮膚科学』株式会社金芳堂
教えてくれたのは……サマンサクリニック 貞政裕子院長
サマンサクリニック 貞政裕子院長 【経歴】 平成8年:川崎医科大学医学部卒 平成8年:順天堂大学皮膚科学教室入局 平成10年6月:順天堂大学医学部附属静岡病院 平成18年7月:順天堂大学医学部附属練馬病院 平成27年4月:サマンサクリニック開院 【資格】 医学博士 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 A型ボツリヌス毒素製剤ボトックスビスタ認定医 グラスファイバー製爪矯正器具施術資格