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燃料電池車の低価格化に期待! 八千代工業が小ロット生産を可能とする水素タンクを参考出品

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カーボン製造技術を水素タンクへと展開

 埼玉県狭山市に本拠を持ち、燃料タンク、サンルーフといった自動車部品の開発・製造から、カーボンフレームの陸上競技用車いすの製造も行っている八千代工業(ヤチヨ)が、2020年2月26日(水)~28日(金)の期間、東京ビッグサイトで開催された「スマートエネルギーWeek 2020」内の「第16回[国際]水素・燃料電池展」に出展。新たな水素タンクの試作品を展示した。 破裂した水素タンクの写真  ヤチヨは、4輪完成車生産事業を2018年にホンダに譲渡するまでホンダS660などの軽自動車を生産。その技術力とノウハウを活かして、現在はS660用のフルドライカーボンルーフ、ポリウレタン製インパネ加飾パーツ、そしてABS樹脂製のロールバー・カバーやリアのライトパネルカバーといったオリジナルカスタムパーツを手掛けてもいる。  ヤチヨはこれまでの製品開発で培ってきた技術やノウハウを活かし、水素や天然ガスなどを貯蔵する高圧タンクの開発を進めており、ブースには、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同開発で適合性の確認の研究開発を行ってきた水素ステーションの蓄圧タンク(82MPaの280リッタータンク)を展示。  さらに、車載用の「タイプ4」という名称の2種類の57リッタータンクを展示していた。水素タンクは素材などによってタイプ1からタイプ4まで4種類に分けられている。車載タンクは、金属ライナーを使用した「タイプ3」とプラスチック製ライナーの「タイプ4」の2種類がある。軽量化のニーズに合わせて開発された樹脂ライナーの「タイプ4」だ。  ヤチヨの白色のロゴが入っている「タイプ4」は、カーボン強化繊維に熱硬化樹脂のマトリックス樹脂を含侵させながら巻回する工法で製作されたWet仕様の水素タンク「WET FW」。マトリックス樹脂の使用量をロットごとに調整できるため、小ロット生産に向いており、比較的安価に製造ができるモデルだ。  そしてもう一つのオレンジ色のロゴのタンクが、ヤチヨが開発した、あらかじめマトリックス樹脂に含侵させた強化繊維束を巻回する工法で仕上げられたDry仕様の水素タンク「DRY FW」。これは高速巻回に追従することが可能で大量生産が可能で、FRP中の樹脂比率変動が少ないため、品質安定性も高いという。   同時に実際に破裂試験を行ったサンプルも展示された。また、これら水素タンクの将来の大量生産を視野に入れ、より早くFRP束を巻回する技術の研究も進めているという。  我々にとってヤチヨはホンダ系のメーカーという認識だが、これらの開発はホンダの燃料電池車「クラリティ FUEL CELL」や今後のホンダのFCVの計画とは関係がなく、独自の研究開発だということだ。

青山義明

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