宇都宮LRT、「キーパーソン」が明かした成功の鍵 インパクトある外観、「マイカーに負けない内装」とは?
11月28日金曜日の午前10時前、宇都宮駅東口停留場に停車中の車両には十数人の客が乗っていた。宇都宮大学陽東キャンパス停留場で何人もの女性が下車した。目の前にショッピングセンターがあるので、大学ではなく目の前のショッピングモールで買い物を楽しむのだろう。 【写真でわかる】黄色いボディの芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」。内装は「マイカーに負けないデザイン」を目指したというが、実際どうなのか? その後もこの車両は清陵高校前、清原地区市民センター前、グリーンスタジアム前などいかにも乗降客が多そうな停留場を経て、終着の芳賀・高根沢工業団地停留場に到着した。途中から車両に乗り込んできた数人の外国人男女が下車し、停留場の前にある工場内に入っていった。インバウンドの観光客だと思っていたのだが、どうやら工場の従業員だったようだ。
■LRT立ち上げのキーパーソンが集結 帰路の宇都宮駅方面に向かう列車には、途中の停留場から背広姿の一団が乗り込んできた。「すばらしいねえ」、「うちにもこんなのができたらいいなあ」。車内での彼らの会話から察するに、どこかの街からやってきた視察団のようだ。終着の宇都宮駅東口停留場に着く頃には車内の席はほぼ埋まり、立っている客も多数いた。 平日の本来なら空いている時間帯にもかかわらず、これだけ多くの人たちが利用していることに驚いた。2023年8月の開業から1年がたった芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)の様子である。
【写真】黄色いボディの芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」。雷の多い街「雷都」がコンセプトの車両デザインを見る 当初計画では平日の利用者は1日当たり1万2800人だったが、実際には1万5000~1万8000人で推移している。土日祝日はさらに計画を上回り、当初計画が4400人のところ、1万~1万3000人で推移している。わずか1年ですっかり市民の足として定着したようだ。 この日の午後、宇都宮駅前のホールで「ライトラインが描くまちの未来」というイベントが開かれた。主催はレイルウェイデザイナーズイブニング(RDE)実行委員会。RDEとは鉄道車両、駅舎、サイン、橋・トンネルなど鉄道デザインにかかわるデザイナーたちが一堂に会して交流するイベントである。