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日本は既に「敵基地攻撃能力」を保有している なし崩しは危険、憲法論議が不可欠

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 「敵基地攻撃能力」の保有の是非を巡る議論が活発になってきた。自民党は7月31日、「相手領域内で阻止する能力」と言い方を変えた上で、政府に保有を促す提言をまとめた。8月上旬にも安倍晋三首相に提出する方針だ。議論の背景には安全保障環境の大きな変化という事情があるが、留意したいのは、保有していないはずのこの能力を、日本が既に相当なレベルで備えているということ。運用に必要なシステムも体系的に整備しようとしている。  本来なら「専守防衛」の原則を逸脱しているかなどの憲法論議が不可欠だ。しかし、敵基地攻撃を防衛の究極手段にするとの国家意思を明確にすることもなく、なし崩し的に「能力」が整えられている。北朝鮮や中国の脅威を前に、日米同盟の強化と一体化も進む。憲法9条との乖離(かいり)は限界にきている。 (共同通信=内田恭司)  ▽北朝鮮ミサイルの衝撃  攻撃される前に相手の拠点をたたく敵基地攻撃能力。日本政府は保有できるとの見解に立つ。1956年の鳩山一郎首相の「『座して自滅を待つべし』が憲法の趣旨とは考えられない」との答弁が根拠だ。ただ先制攻撃との線引きが不明確で、日米安保条約に基づき日本は「盾」の役割に徹してきたこともあり、保有の意思を示してこなかった。

 ここにきて議論が再燃したのは、地上配備型の迎撃ミサイル「イージス・アショア」の計画撤回を機に、ミサイル防衛と抑止力強化の在り方を見直す必要性に迫られたからだ。  背景にあるのは、北朝鮮のミサイル開発能力の劇的な向上だ。7月15日公表の最新版「防衛白書」にあるように、北朝鮮は低高度で変則軌道を飛行するミサイルの開発に成功。2019年5月以降、何度も日本海に撃ち込み、日本の防衛関係者に衝撃を与えた。海上自衛隊のイージス艦と航空自衛隊のレーダーはほとんど捉えることができなかったという。  中国もミサイル防衛が困難な極超音速滑空ミサイル「東風17」を開発し、昨年10月の軍事パレードで公開した。「一つの中国」実現を大義に、公海である南シナ海の武力による実効支配を進めるなど覇権主義的な動きを強めている。6月30日には、香港の民主化運動を取り締まる「香港安全維持法」を施行。国際約束でもある「一国二制度」を事実上ほごにした。

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