ネット中傷に「全員逮捕だ」 新法相の牧原秀樹氏、幼児への暴行加害者は「死刑で足りぬ」
石破茂内閣で初入閣した牧原秀樹法相は日米両国で弁護士として従事した経験を持ち、政界進出後は法務や環境、教育分野などの議員連盟などでも活動する。地元・衆院埼玉5区で立憲民主党の枝野幸男元代表に対し、平成17年衆院選以来6回連続で敗れており、駅前で辻立ちと電車通勤が日課の苦労人だ。周辺からは「真面目」「優秀」と評価する声が少なくない。SNSではネット上の誹謗(ひぼう)中傷や子供に対する性的暴行には厳罰化で臨む姿勢が目立っている。 【石破新内閣の顔ぶれ】俳優に元刺客…異色の経歴持つ閣僚も ■谷垣氏を慕う 「学校の先輩であり、最も尊敬する1人です。欠点だらけの私にははるか遠い道のりとはいえ、谷垣先生のように公平無私な人格者にいつか少しでも近づけるように精進したい」 牧原氏は1日、X(旧ツイッター)に自民党の谷垣禎一元総裁とのツーショット写真とともに、こう書き込んだ。 谷垣氏とは麻布中高の先輩後輩に当たり、牧原氏は谷垣氏を慕い、谷垣氏が特別顧問を務める旧谷垣グループ(有隣会)に所属した。 総裁選では上川陽子前外相の推薦人代表として奔走。選挙中、上川氏が外遊した際は上川氏の「代役」として候補者討論会に臨む論客として知られる。 ■派閥とどまる岸田氏に質問 令和5年1月の衆院予算委員会では岸田文雄首相(当時)に対し、岸田氏が首相就任後も旧岸田派(宏池会)に属していることについて考えを尋ねた。自民党の歴代首相は派閥離脱が慣例で、当時、菅義偉前首相(同)や石破茂元幹事長(同)らが岸田氏が首相にとどまっていることを疑問視する声を挙げていた。牧原氏によれば、国民の疑問を解消するとともに、国会審議で早期に岸田氏の考えを引き出すことで、党内分裂の芽をつむ狙いがあったという。 SNSでも強気の姿勢が目立っている。 今年8月にはパリ五輪の出場選手に対するSNSの誹謗中傷を問題視し、Xで「全員逮捕すべきだ」「発信者は容易に特定できるので1人残らず処罰すべきだ」と投稿。5年7月にSNSで誹謗中傷されたタレントが急死した際は「誹謗中傷をして侮辱罪などの刑法犯に該当する者は『すべて』逮捕すべきだ」と書き込んだ。 5年6月には30代の父親が当時2歳の義理の娘を暴行して死亡させた事件を巡り、「死刑でも足りないくらいの思い」と投稿した。同年2月には高速道路上などでの悪質なあおり運転の犯人に対しても「死刑があれば死刑でもやむを得ないくらいに感じます」と書き込んだ。