飼いたい人に知ってほしいペットショップや“愛護団体”の実情 「高額な譲渡費、2度の去勢手術…」「幼齢動物の販売禁止を目指したい」 【杉本彩さんインタビュー後編】
──さまざまな課題があることが分かりました。最後に伺いたいのは、動物虐待に違反した業者の罪が軽すぎるのではないかという声がネット上にたくさんあることです。長年動物を虐待し続けた埼玉の業者は罰金40万円です。それ以上にこれまで動物で稼いでいたことでしょう。 「厳罰化したとはいえ、結局日本の司法の中で動物虐待というのはその程度しか受け止められていない。私たちが告発した業者『A』の件でも、判決はたった懲役1年で執行猶予3年ですよ。やったことに対してまったく見合ってないと思います。私たちだけじゃなくて、一般の方の感覚でもおかしいとなりますよね。司法の感覚だけが乖離しているんだなと思いました。」
──色々とお話を聞かせて頂きありがとうございました。最後に杉本さんが今訴えたいのはどのようなことなのでしょうか。 「まず、ペットを飼いたいという消費者の人たちに業界にはこういう問題があることを知ってほしいです。許されないことをしている業者から購入しないことが動物たちのためになることを広めたいです。 そして私たちは幼齢動物が販売禁止となることを目指しています。分かりやすいルールができれば、行政も業者を監督しやすい。いきなりペットショップを無くす、ということよりはハードルが低いと思います。 あとは、動物への殺傷罪だけではなく虐待罪の厳罰化を目指したい。業界の事業者の虐待が事件化した時に、多くが殺傷罪ではなく虐待罪で罪に問われることを『A』の事件で改めて思い知らされました。これは司法の都合ですが、それが実態なので、虐待罪の厳罰化は必須なんです」 (了。前編から読む)
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