【空手】形の新女王は東佐江子、男子は西山走が3連覇…全日本選手権
◆第52回全日本空手道選手権大会・第3回全日本空手道団体形選手権大会最終日(8日、日本武道館) 形と組手の個人戦と、団体形の決勝が行われ、個人形は女子が東佐江子(西濃運輸)が初優勝、男子は西山走(大分市消防局)が3連覇した。 東京五輪に出場した清水希容さんの連覇を7で止めて4連覇していた大野ひかるさんが、前大会で引退。新たな女王誕生が注目されていた女子個人形。昨年決勝で大野さんに敗れた東は、「1年間頑張ってきて、精いっぱい自分の形をした」と、決勝では持ち味の手足の長さを生かしたダイナミックなパープーレンを披露。石橋咲織(TEAM SAGA SPORT PYRAMID)に1・5ポイント差つけて下した。「誰が優勝しても初優勝、ここで爪痕を残したくて狙いました」。決勝ばかり意識せずに予選から大事に形を打つことを心がけたといい、2年前は観客席から観戦した頂点の大会を制した。「すごく自信になりましたが、責任も感じます。自覚をもってもっと頑張りたい」と目を輝かせた。 男子は西山が決勝で本一将(AGP)をスーパーリンペイで下した。「相手がライバルなので緊張しました。パワーやスピード、突きや蹴りの強さを体全体を使って形を打つことを意識しました」と語り、「3連覇は意識していませんでしたが、うれしい。目標は世界一なので、来年の世界選手権につなげたい」と語った。昨年まで大野さんと夫婦で2連覇、妻が引退して最初は1人練習に違和感を感じたそうだが、「今は妻も指導してくれる。ぜいたくです」。会場で見守った妻には、祝福もそこそこに反省点を挙げられたと笑った。 3人がそろって演武する団体形の決勝も行われ、男子は全空連推薦チーム、女子は国士舘大が優勝した。全空連推薦は、演武の後半で形を実戦形式にアレンジする分解でダイナミックなウンスーを披露して圧倒。場内にどよめきも起こった。北沢以進は「すごい歓声が気持ち良かったです」と笑顔。女子優勝の国士舘大は、対戦した駒大にはなかなか勝てなかったが、大舞台でリベンジ。堀場早耶は、「このチームで試合出来て本当にうれしい。小さい頃から見に来ていたこの(全日本選手権の)舞台に立てたことを経験にして、成長していきたい」と語った。
報知新聞社