“核と人類は共存できない”核兵器廃絶を訴え続け ノーベル平和賞に選ばれた日本被団協の歩み 「核兵器をなくすことは被爆者の課題ではなく人類の課題」
2021年に96歳でなくなった坪井直さんも海を渡り、核兵器廃絶を訴え続けました。 坪井直さん(2005年 アメリカ・ニューヨークで開かれた集会で) 「原爆の最大の被害は、たとえ生き残っても、精神的身体的な人間破壊が生涯続くことだ」 こうした活動が評価され、ことしのノーベル平和賞に日本被団協が選ばれました。 ■「みなさん全員が(核兵器の)被害者候補」“核兵器廃絶は人類の課題” 核兵器廃絶を訴え続ける森滝市郎さんを見続けてきた娘の春子さん(85)は、今回の受賞決定について「いわゆる名誉なこと、喜ぶべきことと単純には受け止められない」と語ります。 春子さんは背景に、ロシアによるウクライナ侵攻や、ガザ地区を巡る一連の戦闘の拡大など、核兵器使用の危機がかつてないほど高まっている現実があると指摘します。 森滝市郎さんの娘 春子さん 「今を生きる私たちに反核・平和運動への新たな決意を促す意味として受け取るべきだ」 東京都で12日に記者会見した日本被団協の田中熙巳代表委員もこう訴えていました。 日本被団協 田中熙巳代表委員 「核兵器を禁止して、なくさないといけないというのは、被爆者の課題ではない。人類の課題。将来から考えると被害者候補ですからね、みなさん全員が」 世界にはまだ1万発以上の核兵器が存在しています。核兵器廃絶に向け日本被団協と共に、私たちがどう歩み続けていくのかも問われています。
中国放送
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