中国への対応を「厳しい姿勢」で「戦略的忍耐を持つ」とした理由~バイデン政権
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月27日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。米ホワイトハウスの報道官が示した中国への対応について解説した。
米ホワイトハウス報道官~中国には戦略的忍耐で対応
アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は1月25日、アメリカの対中政策について、「米中は厳しい競争関係にある」と対抗姿勢を示す一方、「戦略的忍耐を持ってこの問題に取り組みたい」と話し、今後、同盟国などと協議しながら中国に対応して行く考えを示した。 飯田)国際政治学者の人は「戦略的忍耐」というのは、オバマ政権のときに北朝鮮に使っていた言葉ではないかと指摘しています。
「厳しい姿勢」と「戦略的忍耐」……いずれどちらかを消す
高橋)あまりいいイメージはありません。戦略的忍耐をしていたら、北朝鮮はどんどん核開発してしまいましたからね。同じような姿勢で臨みつつ、放置ということかと思ってしまいます。しかしこれは報道官の話ですから。トランプさんならば、トップダウンでツイッターで発信していたでしょう。バイデンさんはそういうことはしません。全部ボトムアップでやって行きます。「厳しい姿勢」と言いつつ、「戦略的忍耐」と言うということは、どちらを言っているのかわかりません。「途中でどちらかを消せばいい」と思ってやっているのかも知れません。 飯田)報道官レベルで反応を見ている状況ですか? 高橋)両方言っておいて、大統領がどちらかを言えばいいのです。 飯田)大統領にフリーハンドで残しておくのですね。 高橋)あとで「大統領はこう決めた」というやり方です。ボトムアップでやって行くと、こういうことが多いです。大統領ではないのに食い違ったら困るので、両方言っておく方が無難です。私はまだよくわからないから、無難に言っているのかなと思いました。
外交に関してはまだ不確定なバイデン政権
飯田)バイデン政権は、始まったばかりで外交方針がわからないので、こういうものが出て来ると、1つ1つ反応して「どうなのか」と考えてしまいます。 高橋)こういうときも全体で判断すべきです。AもBも言うということは、まだわからない、決まっていないということだと思います。移行期間がほとんどなかったから、これから決めるのではないでしょうか。特に中国について、「対抗姿勢は前と同じだ」と言っているということは、あとから変わるということです。トランプ政権を引き継いでいるのだから、スタート時点は当然、同じなのです。でもそのあとはわからないですよね。3ヵ月から半年くらい経たなければ、わからないのではないでしょうか。 飯田)そのくらいしないと定まって行かないのですね。 高橋)そうでしょう。トランプさんも、大統領選のときは北朝鮮のことは何も話していませんでしたから。外交は変わって行くのでわかりません。