iPhoneの激安販売は「望ましい競争形態ではない」 ドコモ井伊社長が主張する“値引きの上限”
ITmedia Mobileでは、NTTドコモの井伊基之社長のインタビューを実施。第1回の記事では、ahamoやエコノミーMVNOなどの料金氏先についてお話をうかがった。第2回では、単体購入を条件とした端末の激安販売や、それに伴う転売の問題に焦点を当てる。 【画像】最新iPhoneを実質23円で販売するショップ
他社が仕掛けたので、追随しないと回線も持っていかれてしまう
―― 店舗独自の施策として、iPhoneを中心としたハイエンドスマホが一括や実質でも100円を切るような価格で販売されていますが、このような施策をどうご覧になっていますか。また、こうした販売手法にメスを入れていくお考えはありますか。 井伊氏 私個人の意見としても、望ましい競争形態ではないと思っています。本当は端末の事業そのもので収支が成り立つべきで、0円とか1円とかで売ったら当然収支が合わないですよね。回線契約をして、回線を長く使ってもらうことで(収支を)戻そうとしています。回線と端末を分離したにもかかわらず、0円なんかで売ってしまったら赤字ビジネスですから、成り立たない商売をやっているんですよ。端末の利益を出せる範囲内の値下げの競争であるべきだと思っています。ただ、他社がそれを仕掛けたので、追随しないと回線も持っていかれてしまう。 ―― 端末単体で売るだけでなく、そこから先の契約を取ることが当然重要になります。 井伊氏 お客さんの大半が、端末を買ったところで回線も申し込んでいるんですよ。端末を他社で買って、ドコモで回線を申し込む人はいないんですよ。理屈上、端末と回線は分離していると言っているけど、お客さんの利便性からすると、端末を買ったキャリアで回線も買うんですよ。その端末は絶対安い方がいいじゃないですか。 ―― 結局、2万2000円の値引き上限は何だったのか、となりますね。 井伊氏 白ロムだとそういう制限がなくて、回線とセットだと2万2000円を超える値引きできないですが、白ロム単品で売るときに、いくらでも合法的に下げられてしまう。結果的にひずんでいって、転売をする人たちが出てきてしまって。恐らく、東南アジアで高くiPhoneを売っていると思います。実際にちゃんと買っていただいているお客さんは回線とセットで契約しているので、あそこまでめちゃめちゃ(端末代を)下げる必要は本来ないんですよ。