【高級ぶらない大型SUV】フォルクスワーゲン・トゥアレグV6 TDIへ試乗 ブラックエディション 前編
真っ黒なブラックエディションが追加
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース) translation:Kenji Nakajima(中嶋健治) 高級感のある大型SUVの人気は堅調で、各メーカーがラインナップに据えている。数ある中でも、フォルクスワーゲン・トゥアレグは最も人目を引かないモデルといえるだろう。 【写真】VWトゥアレグ X5、GLE、ディスコと比較 (128枚) そんなトゥアレグに、ブラックエディションが追加された。大雑把にいえば、Rライン仕様を、デザインコンシャスにしたグレードとなる。 ブラックも指定できる21インチのアルミホイールを履き、ルーフレールやリアディフューザー、ドアミラー、サイドウインドウ・モール、フロントグリル、ヘッドライト・ガーニッシュなどがブラックで統一される。通常はクロームメッキだったり、ボディ色だったりする。 もちろん、ボディ塗装をブラックで仕立てることもできる。これらすべてをコーディネートすれば、とても真っ黒なトゥアレグが完成する。今回の試乗車のように。 英国のテレビ広告で、フォルクスワーゲンはアクティブ・セーフティがテーマの内容を展開している。真っ黒なトゥアレグの場合、暗い夜道や光の具合では発見が難しくなるわけで、皮肉に思えてしまった。 このブラックエディションで選べるエンジンは、2種類。最高出力231psと286psの設定が与えられた3.0LのV6ターボディーゼル、TDIと、339psを発揮する3.0LのV6ターボガソリンとなる。今回の試乗車は、286psのTDIだった。
選べない装備はないほどオプションは充実
プラグイン・ハイブリッド(PHEV)版のトゥアレグRも、2021年中には追加予定。ちなみに現在、トゥアレグは日本へ正規導入されていない。 ブラックエディションを選択すると、アダプティブダンパーと車高調整できるエアサスペンションが標準で付いてくる。トゥアレグ共通で、センターデフをベースとする四輪駆動システムに、8速ATが組み合わされる。 トゥアレグにはほかにも、LEDマトリックス・アクティブヘッドライトにパノラマサンルーフ、フルゾーン・エアコン、ウィーン・レザー内装などを標準装備する。360度カメラ映像を用いて、クルマの外から俯瞰して眺めるように駐車もできる。 オプションも多彩。ディナウディオ社製のオーディオにヘッドアップ・ディスプレイ、ナイトビジョン・カメラ、四輪操舵システムなどを装備した結果、試乗車は7万ポンド(980万円)を超えていた。それでも、追加できるオプションはまだ残っていたようだ。 マッサージ機能の付いたレザーシートに90Lの大容量燃料タンク、アクティブ・アンチロールバーなど、ほかの高級SUVで選べて、トゥアレグで選べない装備は存在しないかもしれない。 「ベントレー・ベンテイガやポルシェ・カイエンで装備できるものは、トゥアレグでも装備できます。フォルクスワーゲン・グループですから」。と目を輝かせる、フォルクスワーゲンのディレクターを想像してしまう。