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AIがプレイ動画から『パックマン』を完コピして再現 Twitchに新作も登場

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リアルサウンド

 ゲーマーでなくても1度はそのキャラクターやゲーム画面を見たことがあるに違いないゲーム『パックマン』が、最初のアーケード版がリリースされてから40周年をむかえた。ゲーム史に残る同タイトルのメモリアルイヤーを祝して、様々な試みが行われた。 ■プレイを見ただけで完コピ  GPUを製造する大手メーカーのNVIDIAの研究チームは22日、AIがパックマンを再現することに成功したことを発表した。同社が開発したAI「GameGAN」が、5万本のプレイ動画から学習してパックマンそっくりなゲームを生成したのだ。注目すべきは、同AIは事前にパックマンのルールも同ゲームを制御しているプログラミングも設定されていない、というところだ。  GameGANには、最新AI技術のひとつである敵対的生成ネットワーク(英語表記「Generative Adversarial Network」の頭文字を集めて「GAN」と略記されることが多い)が使われている。この技術を簡単に説明すれば、AIが多数の画像を学習すると、学習した画像とそっくりな画像を生成できるようになる、というものだ。同技術を使えば、例えば任意の有名俳優の画像を使って、実際には1度も撮影されたことのない画像を生成できる。この技術を使って、実在しない人物の画像を表示する「This Person Does Not Exist(この人物は存在しない)」というウェブページも存在する。なお、似たような技術に画像内の人物の顔を他の人物のそれに置き換えるディープフェイクがある。ディープフェイクにおいては、置き換える顔は両方とも実在することが前提とされている。  GameGANを使えば、新規のゲームステージやゲームキャラクターを簡単に自動生成できるようになると考えられる。さらには、自律自動車や自律型ロボットを研究開発する際に使うシミュレーターを簡単に開発できるようになるのだ。 ■Twitchから直接プレイ可能な新作  また、先日アクションゲーム『Crucible』をリリースしたAmazon Games Studiosは、パックマン40周年を祝して同ゲームシリーズの新作『PAC-MAN LIVE STUDIO』の公式サイトを立ち上げた。同ゲームは、近日中にAmazon傘下のゲーム実況チャンネルTwitchからプレイ可能となる。  『PAC-MAN LIVE STUDIO』は、3つのゲームモードでプレイすることができる。協力プレイが可能な「エンドレスモード」は、プレイに参加したプレイヤーのうち1人でも生き残っていれば、ゲームクリアとなる。「迷路クリエーター」は、ゲームステージを自作できるモード。ゲームコミュニティから高評価を得られれば、迷路ランキングの上位に表示されるようになる。もちろん、1980年にリリースされたアーケード版を再現した「クラシックモードも」も用意されている。  パックマンの新作をTwitchで公開することに関して、テック系メディア『The Verge』が22日に公開した記事は、Amazonがクラウドゲームサービスを展開する布石ではないかと指摘している。将来的には、月額料金制で多数のゲームをTwitchでプレイできるようにする、というわけなのだ。クラウドゲームサービスでは、昨年GoogleがStadiaをリリースして先行している。もっとも、Stadiaはまだ一部の地域のみで提供されているにとどまり、日本でのサービス開始時期は不明だ。 ■あなたが知らないかもしれないパックマンのエピソード  イギリスの大手メディアであるガーディアンも22日、パックマン生誕40周年を祝した特集記事を公開した。その記事では、同ゲームにまつわる40のエピソードが紹介されている。以下、その一部を抜粋する。 ・パックマンを開発した岩谷徹氏は、開発当時24歳であった。同氏はピザを切り分けていた時、パックマンのキャラクターを思いついた。 ・「パックマン」というゲーム名は、日本語の「ぱくぱく食べる」の「ぱくぱく」から着想された。 ・2010年にパックマンが30周年をむかえた時、WIRED.JPは岩谷氏にインタビューした記事を公開した。その記事によると、同ゲームは女性をターゲットとして開発された。当時のゲームセンターでは『スペースインベーダー』ライクなゲームに溢れていて、女性が訪れるようなところではなかった。 ・パックマンの発売から1年以内に、10万台が販売され、毎週2億5,000万回プレイされていた。 ・2012年、ニューヨーク近代美術館はパックマンをはじめとした14のゲームをコレクションに加えた。パックマンのほかには、『テトリス』『シムシティ 2000』等が所蔵された。  以上のようにパックマン生誕40周年を祝して様々な試みが行われたことは、同ゲームが文化遺産として認知されている証しだと言えるだろう。ゲームは消費されては消えていく単なる娯楽ではなく、後世に残すべきアートという側面もあるのだ。

吉本幸記

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