ヤクルト・山田哲人、現状維持の5億円で更改 「(走攻守)全部の面でスピードを生かした野球を」 守備にも強いこだわり
ヤクルト・山田哲人内野手(32)が29日、東京・北青山の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸5億円プラス出来高でサインした。来季は2021年から結ぶ7年契約の5年目となる(金額は推定)。 プロ14年目の今季はシーズン開幕戦で下半身を痛めるなどして2度離脱。110試合の出場で打率・226、14本塁打、39打点に終わり、「個人的に目標にしていたのは、けがをしないというのが一番だったんですけど、開幕1試合で肉離れをして、その目標が崩れた。悔しいというのが最初に出てくる」と振り返った。 その上で「マイナス思考ばかりだったんですけど、必要なモノが見つかった年でもあった」と分析。「自分の持ち味は何だと思ったときに、一番はスピードだと思う。そのスピードを取り戻したい。スピードさえあれば、成績もついてくるんじゃないかなと思っている」と語った。 2015、16、18年にトリプルスリー(シーズン打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成。「あの頃はやっぱりグラウンドを駆けめぐっていたし、躍動感もあった」と回顧し、「そういう自分をしっかり球場で見せられたら」と思い描いた。「スピードは走塁、守備につながるし、下半身が鍛えられ、バッティングにもつながってくる」。トリプルスリーを達成した当時のキレを取り戻し、再起を図る。 守備にも強いこだわりを持つ。セ・リーグの二塁手は巨人・吉川、DeNA・牧、広島・菊池ら好敵手が多く、「見習うところはやっぱりたくさんある。かといって僕も負けてないぞと心の中では思っている」ときっぱり。「バッティングのイメージが強いかもしれないけど、守備も僕の中では自信がある。そこで貢献したい。山田の守備のおかげで勝ったという試合もたくさんしたい」と力を込めた。過去に6度受賞したベストナインのタイトル獲得にも意欲を示し「総合的に成績を残さないと取れない賞。全部の面でスピードを生かした野球をして、賞を取れるように」と話した。 来季は主将5年目を迎える。食事の席で高津監督から熱い思いをぶつけられ、「心に刺さりました。期待に何とか応えたいと思った」と主将の続投を承諾した。精神的支柱だった青木が今季限りで現役を引退し、責任感が増しており「結果で引っ張っていくのが理想。プラスアルファで視野を広く持ち、気づいたことがあれば声をかけていく。キャプテンとしてチームをまとめて優勝に貢献したい」。チームは2年連続で5位。22年以来3年ぶりのリーグ優勝へ、主将の輝きは欠かせない。