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「ジャンヌ・ダルクは火あぶりになるからイヤ」築地の女性たちが絶望した小池百合子の“二枚舌”

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文春オンライン

会場の人々が感激した小池の「物語」

「ここで、こういうことを言うのが、ふさわしいのかわかりませんが……」  逡巡してから、彼女は突然、自分の秘密を打ち明け始める。それは自分が留学していた時、母親が来てカイロで日本料理屋に入って憤慨し、自分が本物の日本料理店を作るんだと言い出したという例の「物語」だった。 「一主婦がエジプトの地で日本料理店、始めたんですよ。で、実は私、母から『たらこ』を何箱、買ってこいとか、ファックスが入ると、このへんうろうろして。いい蒲鉾(かまぼこ)はどこで売っているかとか、タヌキそばのタヌキはどこで売ってるか、とか、実は結構、詳しいんです。本当に母の店は小さな店でしたけれど、やはり、これは築地からです、というとお客様が『オー』といって喜んで下さる」  都会的で遠く離れたところにいるように見えた都知事が自分たちの仲間だったとは。料理屋の娘で築地の買い出し人だったとわかり、会場の人々は感激していた。

仲卸業者の冷ややかな態度は消え去り、涙ぐむ人も

「築地には私、大変にお世話になったんです。今日、私、ここに来て良かったって思ってます。総合的にAかBという観点だけでなくて、この築地のブランドをどう守っていくか、築地から育まれるからこそ出てくるブランド力があるじゃないですか! 今日は直接、こうやって伺うことが、どんなに重要かわかりました。これからもっともっと築地の、この市場のほうにも私、足を運ばせて頂きますのでよろしくお願いします!」  会見開始時の小池に対する仲卸業者の冷ややかな態度は、もうどこにも見られなかった。小池の言葉に感動して、涙ぐむ人までいた。小池は心から築地を愛し、守ろうとしているのだと皆、思った。会場を後にする小池には、「頑張って」の掛け声と大きな拍手が送られた。  この日、会場で小池の説明を聞いた仲卸業の女性は、感激のあまり小池の後姿を追いかけた。声援を直接、届けたいと思ったからだ。

「ジャンヌ・ダルクはね、火あぶりになるからイヤ」

 都庁職員に囲まれて車に乗り込もうとする小池に、ようやく追いついた。息を切らしながら、その高齢の女性は必死で訴えた。 「小池さん、感動しました。都議選、応援します! 負けないで築地を守ってくださいね。私たち小池さんのことをジャンヌ・ダルクだと思ってます。ジャンヌ・ダルクになってくださいね」  笑顔で「任せておいて」と言ってくれるものだと女性は思い込んでいた。だが、小池から返ってきた言葉は、まったく予想外のものだった。笑顔で小池は言った。 「ジャンヌ・ダルクはね、火あぶりになるからイヤ」  女性は自分が何を言われたのかわからなかった。その時、周囲にテレビカメラはなく報道陣もいなかった。  小池はこの築地訪問の直後、記者会見で、「築地は守る、豊洲を活かす」と打ち出して移転賛成派と反対派、双方の票を得て都議選を圧勝する。 (文中一部敬称略)  阪神淡路大震災の被災者、アスベスト問題の被害者など、同じように小池都知事の“二枚舌”に絶望した人は少なくない。詳しくは『女帝 小池百合子』をお読みください。

石井 妙子

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