アメリカでも1台購入! 必要なパーツを日本へ送り組み上げる|1976年式 日産 フェアレディZ-T S31 280Z仕様 Vol.2
1976年式 日産 フェアレディZ-T S31 280Z仕様 Vol.2 この S31 ダットサン280Zのオーナー・田原和典さんのガレージには、3台のフェアレディZが並んでいる。フェアレディZは学生時代の愛車だった。 レアアイテムであるタイヤハウス内のカバーや、あえて国内仕様のテールレンズを組み合わせたリアビューなど【写真7枚】 年を経て再びオーナーになると、S30、S31、S130と各世代のZを揃えたくなってしまったという。3台のなかでも目を引くのが1976年式S31フェアレディZだ。5マイルバンパーを装着したその姿は北米仕様のダットサン280Zそのもの。 だが、ステアリングは右だ。違和感を感じさせない完ぺきな北米仕様のスタイリングに驚かされる。その素性を聞くと、 「ベースはノーマルのZ-Tでした。そのまま乗っていてもよかったのですが、ほかにもZがあるので、1台ぐらいは珍しいクルマもいいかな思いまして、右ハンドルの280Z仕様を造りました。造るからには完ぺきにしたかったので、かなり手をいれました。誰が見ても、『280Zと違う』なんて個所を残したくありませんでした。唯一、ステアリングの位置だけが違うクルマを造りたかったんです」と答えてくれた。 北米仕様と国内仕様はバンパーの違い以外にも異なる個所がたくさんある。その一つひとつを確認しながらクルマを造るには、国内仕様のZのと北米仕様のZを並べて、確認しながらカスタマイズをしていくぐらいでないと難しい。 そこで、オーナーは、パーツ取りとなるダットサン280Zを現地で購入してしまったという。北米在住の友人の元に置いて、仕様の違いなどを研究。パーツを外して、日本へ送りカスタマイズを進めた。 ベースとなったのは、S31の登場と同時に、最上級グレードとして設定されたZ-T。 外装だけでなく、内装の細かいパーツまで、ほとんどすべてを北米仕様の280Z用に交換。そのため、本来は助手席側に付くバニティミラーが運転席側に付く状態となっている。ちなみに、バニティミラーは、今でこそ、運転席・助手席の両方に付く車両が増えているが、当時は助手席専用のアイテムで、それも最先端のお洒落な装備だった。 なかには現地でも入手困難なパーツも多く、タイヤハウス内のカバーもその一つ。280Zだけに装着されるレアアイテムだが、やっとのことで入手したそうだ。 また、当時の北米向け車両では、ドアミラーが標準的だった(国内では認可されていなかった)が、助手席側は到着する必要がなかったため、右側ドアミラーは新た製作している。ミラー本体は汎用品を使用し、内部機構はカプチーノのものを流用した。 テールランプのレンズはあえて国内仕様としっている。というのも、当時、現地では日本仕様にモディファイすることが流行していたので、そのカスタマイズカルチャーをリスペクトして、あえて国内仕様(JDM化)とした。バンパーはリプロダクトだが、純正とまったく同じ形のものを使用している。 ドアを開けると見える「DATSUN」の文字入りステップカバーも装備している。 次回「1976年式 日産 フェアレディZ-T S31 280Z仕様 Vol.3」へ続く
Nosweb 編集部