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マツダMX-30は「マイルドハイブリッド」から登場! 「EV」への消極姿勢は未来への「黄色信号」か

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マイルドHV投入は仕向地で最適なパワートレインを検討した結果

 マツダは、昨年の東京モーターショーで公開したMX-30の、マイルドハイブリッド車(MHV)を日本で発売すると発表した。MX-30は電気自動車(EV)として開発したのかと思っていたが、それは誤認だったようだ。プレスリリースによれば、「地域ごとに最適な動力源を適用する」とのことである。また、EVは今年度中というから、来年の3月までにリース販売を開始する予定だという。 【写真】MX-30の「観音開きドア」  日本には、集合住宅の管理組合問題という過去10年間解決されない重要課題があり、EVはもとより、普通充電を基本とするPHEVをマンション住まいの人などは自宅で充電しにくい状況にある。  一方、ハイブリッド車(HV)やMHVであれば、エンジン車と同じようにガソリンスタンドで燃料を給油すれば使えるので、集合住宅の管理組合問題を回避できる。EVをリース販売するとなれば、販売台数をある程度抑え、充電環境の整う消費者にだけ売れば言い訳もたつ。このため販売はしないということだろう。  ホンダ同様にEV開発の目的は、海外市場での規制に対するクレジット回避策であることが見えてくる。「地域ごとに最適な動力源を適用する」とは、都合のいい表現だ。  環境問題に対峙する姿勢を見せ、エンジン車の効率を高めればウェル・トゥ・ホイールでEVと同等になるとする環境意識のマツダではあるが、今後、世界的に電力の排ガスゼロ化が進む可能性について、一緒に未来へ向かっていく意識は少ないようだ。発電が、排ガスゼロに近づけば近づくほど、クルマからの排出分がCO2排出の比率を高める訳で、そうなれば、エンジン車の環境負荷は高まる一方である。

EVに対して本気で取り組まなければならない時代に突入

 また、日本市場においては過去10年解決を見なかった集合住宅の管理組合問題があるのは事実だが、それに対して後ろ向きの姿勢を取り続ければ、この先の10年も解決しない可能性がある。その間に、日産や三菱、あるいは輸入車のEVがじわじわと増え、管理組合問題も緩和されるようになったとき、いよいよEVを売り出しても、遅れた十数年の歳月を簡単に挽回することができないのがEVである。そのことに、トヨタも含めEVを本気で販売してこなかった自動車メーカーは気づけていない。  さらに、トヨタを含めマツダやスバルは、クルマ単体での環境や効率ばかり語るが、EVの導入によるVtoH(ヴィークル・トゥ・ホーム=EVから家庭への給電)や、電源系統との相互補完などは、暮らしの改善や災害に対する強靭化策とも関連を持ち、人々が安心して暮らせる社会づくりの一助にクルマが参画する視点に欠けている。  いつまでもクルマばかりを見て、未来社会を見通せない自動車メーカーは、10年後にはなくなっているかもしれない。

御堀直嗣

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