川口のクルド人「難民でなく移民」「いなか出身者の行動」トルコ人著名ジャーナリスト語る 「移民」と日本人 クルド人が川口を目指す本当の理由⑤
埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人の故郷を訪ねた後、首都アンカラで著名なトルコ人ジャーナリストに会った。ムラット・イェトキン氏(64)。川口のクルド人問題について「クルド人だからではない。いなかの出身者だからだ」と指摘。「彼らは難民ではない。よりよい生活を求めての移民だ」などと語った。 【画像】「地域住民の人権は無視ですか?」報道されない川口クルド問題、地元女性制作の画像急拡散 ■ベテラン記者との対話 イェトキン氏は、トルコの有力紙ヒュリエト英語版の編集長などを歴任し、現在は自身の名を冠したニュースサイトを運営。政治コラムニストとして現地のテレビでもおなじみのベテラン記者だ。 「カワグチで起きていることはトルコでも同じだ」。川口のクルド人らによる危険運転や大音量の音楽、ごみ出しなどの問題について尋ねると、こう話し始めた。 イェトキン氏は「日本のルールやマナーを守らないのは、彼らがトルコのいなかから、いきなり日本の大都市へ来たからだ。要するに、いなか出身者の行動だ」と指摘。「彼らがルールを守らないなら、警察が注意する。それでも聞かなければ、罰金を科せばよい」 クルド人の多くが日本で難民認定申請し在留を続ける現状については、こう説明した。 「彼らは難民ではない。実際のところは、よりよい生活を求めての移民だ。先に行った者が『稼げるから来い』と言う。『警察や憲兵に迫害されている』として難民申請すればよい。これは日本だけでなく、欧州も同じ問題を抱えている」 2003年からのエルドアン政権によって、トルコはめざましい経済成長を遂げ、クルド人も人権状況だけでなく、生活レベルも大幅に上がったという。イェトキン氏は「トルコでクルド人はトルコ人らと広く混血が進んでおり、最もクルド人の多い都市はクルド人居住地域の南東部にはなく、大都市のイスタンブールだ」と指摘し、同国の非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」の名を挙げて続けた。 「一般のクルド人とトルコ人は決して争ったりしない。この40年間、争っているのはPKKであり、彼らは意図的に問題を大きくしようとしている。この対立の図式を利用して難民申請し利益を得ている人々がおり、カワグチのクルド人もその一部だ」 ■クルド系の大統領も