ユーロ圏インフレは11月に加速、ECBなお利下げ継続の公算大
(ブルームバーグ): ユーロ圏のインフレ率は11月に伸びが加速し、欧州中央銀行(ECB)の目標値である2%を上回った。ただ、来月以降も見込まれているECBの利下げ軌道が修正される可能性は低そうだ。
欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が29日発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比2.3%上昇で、ブルームバーグがまとめた市場予想と一致。前月の2%上昇を上回った。ユーロスタットはサービス価格の上昇率が前月からやや低下したものの、依然として高止まりしていると指摘。非エネルギー生産財は2カ月連続で前月を上回る上昇率となった。
11月のユーロ圏消費者物価指数:速報値(表)
変動の激しい食品・エネルギーを除くコアCPIは前年同月比2.7%上昇で前月と同じ伸び率。市場予想では若干の伸び加速が見込まれていた。
ECBは今年最後の政策会合を約2週間後に控えている。当局者は、4回目となる0.25ポイント利下げを行うことをこれまでに示唆している。その後も追加利下げは想定されているが、タイミングは一部の根強いインフレ要素や米大統領選後の米金融当局の政策緩和方針などによって不透明になっている。
11月のサービスインフレ率は3.9%と、前月の4%からは若干鈍化したが、多くのECB当局者は依然として高過ぎると認識している。
原題:Euro-Zone Inflation Accelerates But Won’t Derail ECB Rate Cuts
(抜粋)
--取材協力:Barbara Sladkowska、Joel Rinneby、Flavia Rotondi.
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Mark Schroers