ピンとこない「首都高と雪」だから恐ろしい 雪に弱い首都高 関係者の危機感
雪国でも大雪で大混乱 「想像を超えてくる…」
2020年12月から1月にかけ、大雪の影響により関越道や北陸道、東海北陸道で数千台が巻き込まれる車両の立ち往生が相次ぎました。これを受け、首都高を管理する首都高速道路の関係者が危機感を募らせています。 【画像】実は多い首都高の「雪で立ち往生」発生ポイント 冬にはよく雪が降る北陸・信越地方は、道路管理者であるNEXCOの関係者も一般のドライバーも、首都高からすれば雪のプロです。「それでもああいう事象が起こってしまうのは、我々の想像を超えてくる……」と頭を抱えます。 というのも、2018年2月に福井県の国道8号で、大型車のスタック(動けなくなること)に起因した大規模な立ち往生が起こり、国ぐるみで対策が強化されてきたところだったからです。冬タイヤだけでは通れない「チェーン必須のチェーン規制」の仕組みが法的に整備されたのも、この事象をきっかけで、車両のスタックを防止する目的でした。 首都高の関係者のあいだにも、直接的に頭をよぎる苦い経験があります。2018年1月の大雪の際、C2中央環状線の山手トンネルなど3か所で立ち往生が発生しました。山手トンネルの立ち往生は西新宿JCTから大井JCTまで12kmにおよび、解消まで10時間を要しています。 これは、地下から地上の高架へ上がる西新宿JCTの渡り線で、大型車がスタックしたことによるもの。大型車はチェーンを付けていましたが、急勾配を上りきれなかったのです。 このときの大雪では、他の2か所で発生した立ち往生も、解消までそれぞれ10時間以上を要したほか、総延長320kmのうち約7割が通行止めになりました。全線の通行再開まで、約100時間かかっています。立ち往生の規模も通行止め解消までに要した時間も、首都高の歴史のなかで最大だったそう。 もちろん、この混乱の経験をきっかけに首都高の雪対策も大幅に強化されてきました。しかし、どうしても雪に弱いという構造的な特性があるといいます。