【名車復刻】現代版スペンサーレプリカはこう作る!【カスタムマシン】
数あるホンダの名車の中でもいまだに世代を超えて多くのファンを持つのが、CB750Fを筆頭としたCB-Fシリーズ。中でもスペンサーカラーと呼ばれ1990年代のカスタムシーンを席巻したカラーが北米仕様として販売された1982年型CB900Fのカラーリングだ。そんなスペンサー“F”のたたずまいを、アフターマーケットパーツの老舗メーカーとしても知られる尼崎のプロショップ、アドバンテージが2022年型のCB1000Rで再現した。その手法と狙いとは? 【画像】カスタムモデルのディテールをギャラリーで見る(7枚) 文/Webikeプラス ヘリテイジ&レジェンズ
イメージはAMAスーパーバイクを走ったCB-Fレーサー
ホンダによる往年のアイコン的バイクのひとつが1980~82年の3年間、アメリカンホンダがAMAスーパーバイクで走らせたCB-Fレーサーだ。中でも1982年のデイトナ100であのフレディ・スペンサーが走らせた北米仕様のCB900FCの車体色はいわゆるスペンサーカラーとして、1990年代の日本国内でのカスタムブーム時を皮切りに現代にいたるまで、ファンの心を惹きつけ続けるものだ。 そんな背景の下、以降の歴代CBシリーズでは折々にそのスペンサーカラーをまとったモデルが販売されており、市販車で言えばCB1300SF(SC40)の1999年~のフォースシルバーメタリックや2007年にCB750(RC42)で設定されたスペシャルエディション、さらには現行CB1300SF(SC54)で現在も販売されるデジタルシルバーメタリックなどはその代表格だ。さらにはCB1000Rをベースに、2020年にホンダがWEB上で公開(コロナ禍もあり、国内でのショー展示などはなかった)したCB-F Conceptも知られるところ。スペンサー“F”イメージをトレースして見せたCB-F Conceptは当時、ファンを大いに沸かせたが残念ながら市販化には至らなかった。 そして、ここで紹介するのがアフターマーケットパーツの老舗メーカー、兵庫・尼崎のアドバンテージが製作した、CB1000Rカスタムだ。自社ホイールブランド、EXACT(イグザクト)のプロモーションを行うためのデモバイクだが、そのスペンサーレプリカ感を見事に再現していることに注目したい。 「僕ら世代はやっぱりCBといえばスペンサーカラーなのですがCB1000Rの外装にそのまま落とし込むのは意外に難しく、懇意にしているペイントショップ、モリタ・デザインさんに協力いただき何本も試作デカールを作った上でこのデザインがまとまりました。テールまわりもTKファクトリーさんによるワンオフ品です」と、アドバンテージの中西 昇代表。ストリートファイター・イメージでデザインされたCB1000Rのショートテールを、違和感なく変更している。 そして、そんなスペンサーCB1000Rの足元を固めるのがアルミ鍛造による、CB1000Rの片持ちスイングアームにボルトオンのEXACT2だ。リアサイズは他に市販品のない6.25-17で、合わせるタイヤは表示サイズのまま(タイヤは表示サイズと実寸に振れ幅があるのが一般的だ)の、ブリヂストン製BATTLAX HYPERSPORT S23が履かされている。 「弊社ではブランドへの信頼感からBS製タイヤを推奨していますが、リムサイズを6.25としたのも、履こうとしたワンサイズアップの200/55-17(STDは190/55-17だ)の、S23の標準適用リムサイズが6.25で、そこを狙えば足まわりのセッティングを出しやすく、無用なトラブルも避けられるから」(中西代表) 実走でも軽量化と剛性最適化により、コーナリングがさらに楽しめるキャラクターに変貌したことがダイレクトに感じられる、アドバンテージCB1000R。アドバンテージでは同車に限らず、片持ちスイングアーム車を選ぶのは趣味性の高い尖った層と見ていて、そんなライダーにこそ、コストパフォーマンスのバランスもいい、EXACT2ホイールはお勧めだという。